水力発電機

監修:株式会社シーイーエム

水力発電機とは

水力発電機とは、水の速度・質量・圧力などの物理的エネルギーを電力へと変換する装置です。

主に高低差がある場所に多く設置され、水路や配管を通じて高い位置から低い位置へ水が流れる際に発生するエネルギーによってタービンと呼ばれる羽根車を回転させ、その回転を発電機に伝えて電力を生み出します。近年は大型ダム向けの製品だけでなく、中小規模の河川や用水路などにも設置できる製品も販売され、再生可能エネルギーの一種として広く認識されています。

水は太陽や風と異なり時間帯や気候に左右され難いため稼働率が高く、また人為的な調整が可能という強みがあるため、電力の安定供給と化石燃料に依存しない発電手法を実現できる点が魅力です。一方で建設可能場所が限定的かつ必要設備も多く、水使用の権利といった特殊な条件が関わるため建設単価と参入障壁の高さが課題です。

水力発電機の使用用途

水力発電機は以下のような用途で使用されます。

1. 発電事業

大規模な発電事業で活用されます。山間部などの水量及び高低差が豊富な地域では、大きなダムと併設することで大出力の電力を安定供給することが可能です。必要に応じて水を放出することで出力を調整しやすく、調整池を併設しておくと計画的な発電が実現できます。

2. 自家発電

中小規模の発電や自家発電にも活用されています。河川の流量がそれほど多くなくても、小さなタービンを設置することで地域の電力需要や工場電力をまかなう例があります。山間の集落や電力インフラの整備が難しい場所にも適しており、長距離送電に伴うロスを抑えながら電気を作り出すことが可能です。

3. 自治体における発電

地域活性化の取り組みとして設置される場合があります。農業用水路や水処理施設を利用した小水力発電では、水を循環させながらクリーンな電力を得ることができ、環境負荷低減に有用です。自然の風景を損なわないように設備を設計すれば、再生可能エネルギーへの関心や環境意識を高める機会にもつながります。

本記事は水力発電機を製造・販売する株式会社シーイーエム様に監修を頂きました。

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