乾燥剤とは
乾燥剤とは、周囲の湿気を吸収することで、物品を湿気から守るために使われる化学物質や素材のことです。
私たちの身の回りでは、お菓子の袋、靴箱、電子機器の梱包材などに小さな袋状の乾燥剤が入っているのをよく目にします。これらはすべて、湿気によるカビやサビ、劣化を防ぐために用意されています。
乾燥剤にはいくつかの種類があり、主なものとして以下があります。
1. シリカゲル
透明または半透明の粒状で、表面にある無数の孔に空気中の水分を吸着します。吸湿力が高く、繰り返し使用も可能です。
2. 生石灰 (酸化カルシウム)
水との化学反応によって作用します。吸湿時に発熱するため、食品用などでは注意が必要です。
3. 塩化カルシウム
強力な吸湿力を持つもので、水分に触れると溶ける性質があります。
乾燥剤の使用用途
乾燥剤は主に、密閉空間内での湿気除去を目的として使用されます。以下はその代表的な使用例です。
1. 食品の保存
乾燥剤はお菓子や乾物、海苔などの食品包装に頻繁に使われています。湿気による風味の劣化やカビの発生を防ぎ、賞味期限を延ばす役割を果たすものです。
2. 金属部品の保護
鉄鋼材料などの金属部品の中には、保管時に空気中の水分や結露によって錆びてしまう恐れがあります。金属部品の錆の発生を防止することは、乾燥剤の役割の一つです。
3. 靴・衣類の保管
革靴やスーツなど、湿気により劣化しやすい素材の保管時にも乾燥剤が利用されます。靴の中や衣服のポケットなどに入れて使用します。特に高温多湿な日本の気候では重宝されるものです。
4. 医薬品・化粧品
湿気で変質しやすい錠剤やパウダー製品には、吸湿によって本来の効き目が失われる可能性もあります。乾燥剤は医薬品の品質保持のために不可欠です。
5. 輸送・倉庫保管
海外輸送や長期保存の際に、コンテナや保管庫内での湿度上昇を防ぐ目的で大量の乾燥剤が使用されます。昼夜の温度差や標高差などによって結露が生じるのを防ぐのも、輸送や倉庫保管での乾燥剤の大切な役割です。