液体急速冷凍機

監修:株式会社ゼロカラ

液体急速冷凍機とは

急速凍結機の中でもエタノールなど氷点下でも凍らない液体に包装食品や医薬試料を浸漬し、急速に冷やすことが出来る機械のことを液体急速冷凍機(液体急速凍結機)と言います。

空気式と比べ表面熱伝達率が非常に大きいため、より急速で凍結できます。そのため氷結晶が極小化し細胞破断や凍結濃縮を抑え、風味・食感を損なわない高品質な冷凍が可能です。鮮魚・高級肉・研究試料など短時間・高品質を求める現場で実績豊富となります。

液体急速冷凍機の中でも急速に凍結するには、食品表面の流速確保がポイントです。流速確保のためには機械としての液体攪拌能力はもちろん、液体の濃度低下による粘性上昇も影響が大きく、濃度管理も重要です。エタノールなどを使用する場合には消防法の順守も必要となります。

液体急速冷凍機の使用用途

液体急速冷凍機は以下のような用途で使用されます。

1. 食品

食品業界では、魚介類や肉類、野菜をはじめとしたあらゆる食品を鮮度や品質を高い状態で保管したい場合に活用されます。低温状態への移行を素早く行うことで、素材の色味や風味を保ちつつ、衛生面にも配慮することが可能です。冷凍により長期保管が可能となることで、流通や輸送の過程でも商品価値を損なわない点が利点です。

2. 医療

医療においては、血液や組織片・細菌などを高品質のまま保存する手段として用いられるケースがあります。低温環境を迅速につくり出し、試料の性質を変化させないようにすることが重要です。液体急速冷凍機の技術を活用することで、細胞培養やワクチンの開発などにも応用が期待できます。

3. 産業

産業用の工程でも、液体急速冷凍機は多様な用途を担います。金属部品や樹脂製品の物性評価において、特定の低温環境を安定的に作り出す必要がある場合に採用されることがあります。極端な低温を迅速に得る手法として、より精密な実験や品質テストなどに利用される点が特徴です。また、低温によって応力を加える検査や脆性評価など、製品の安全性や耐久性を調べるためにも用いられています。

他にも、氷曲げ技術と言われる管楽器の製造や二重管パイプなど特殊な管材の加工技術があります。この氷曲げ技術として液体式凍結機が活用されております。

本記事は液体急速冷凍機を製造・販売する株式会社ゼロカラ様に監修を頂きました。

株式会社ゼロカラの会社概要はこちら