ロールミル

ロールミルとは

ロールミルとは対となるローラーの間に原材料を通し、圧力で潰したり砕いたり、せん断をかけたりする機械です。

食品や化学品の原材料生産工程などで使用されています。内部には二本以上のローラーが組み込まれており、ロール表面に配置された溝の形状や粗面加工により、最適な粒度を得やすい点が大きな特徴です。また、原材料を所定の大きさに細かく加工するために、精密なギャップ調整機能を備えた機種も存在し、微妙な粒度の差を調整することが可能です。部品の耐久性向上や、熱の発生を最小限に抑える設計、運転中の振動を低減するための制御機能など、多角的な工夫が施されており、高い安定性と信頼性を備えた装置です。

ロールミルの使用用途

以下はロールミルの使用用途の一例です。

1. 食品原料

ロールミルの主な使用用途は食品原料の粉砕や形状の調整です。他の機器と組み合わせて、小麦、とうもろこし、大豆などの穀物を段階的に粉砕する際や、コーヒー豆の粉砕などに利用されます。

2. 飼料

飼料の加工分野でもロールミルは大きな役割を果たします。家畜の消化を助けるための穀粒の粉砕や、油分が多い種子をあらかじめ割って内部の成分を取り出しやすくします。特に硬度の高い原料を扱う場合でも安定して稼働し、連続的な処理が可能な点が強みです。ロール表面に付着したカスを除去しやすく設計することが多く、衛生面やメンテナンス面でも利点があります。

3. 工業

工業分野では顔料やセラミックス、金属粒子などの粒度を制御する工程では3本ロールミルが用いられ、ペースト状の材料を複数回通して粒度を少しずつ整えることが多いです。また、ゴムやプラスチック、顔料などの材料の混練 (練り混ぜる) やシート化、予備粉砕に2本ロールミルが使用されたりします。
大規模なプラントでは、他の粉砕装置と組み合わせることで多様な処理を実現し、用途に応じた柔軟な対応が可能です。