歯科用研磨剤

歯科用研磨剤とは

歯科用研磨剤とは、歯のプラーク・着色の除去や歯面研磨、人工歯・義歯床などの研磨を目的として歯科医院などで使用されている研磨剤です。

成分や用途によって、ペースト状・固形・粉状などの製品があります。プラーク・着色などの口腔内清掃にはペーストが使用されることが多く、固形研磨剤や粉末状の研磨剤は義歯床、詰め物・被せ物用の素材 (コバルト・チタンなどの金属素材や、コンポジットレジン、セラミックス) などの研磨に使用されることが多いです。

ペースト状の研磨剤の成分は、ダイヤモンド砥粒、無水ケ
イ酸、ハイドロキシアパタイトなどが中心です。研磨対象物 (天然歯、セラミックス、金属、レジンなど) によって種類が分けられている他、用途に応じて研磨剤粒径の違いや、フッ素添加、殺菌効果の有無などの種類があります。歯科治療に使用するものだけでなく、家庭で使用されている歯磨きペーストに使用されている研磨剤も歯科用研磨剤に含まれる場合があります。

粉末状の研磨剤には、アルミナやガラスビーズがあり、歯科用サンドブラストなどと共に使用されることが多いです。固形研磨剤は、研磨対象の天然歯や歯冠修復材、補綴物などに塗布して使用されます。それ以外に、レジン用バレル研磨機用の研磨剤ストーンなどもあります。

歯科用研磨剤の使用用途

1. 清掃

歯科用研磨剤は、口腔内クリーニングに使用されています。歯科用研磨剤を用いて清掃を行うことにより、歯の表面に付着するプラーク (歯垢) や着色汚れ (ステイン) を除去する事が可能です。ペースト状研磨剤が用いられることが多く、しばしば虫歯予防のためにフッ素や殺菌成分が含有されている製品が選択されます。

このような目的で使用される歯科用研磨剤は、歯科医院などの医療機関のみでなく、家庭用に患者に提供される場合もあります。

2. 歯面研磨

歯科用研磨剤は、歯面につやを出したり滑沢化を図る目的でも使用されています。スケーリング後の一次研磨、二次研磨、フィッシャーシーラント前の歯面研磨など、様々なシーンでの用途があります。天然歯と詰め物などの修復材とでは硬さが異なるため、用途に合った製品を選択することが必要です。

また、シーラントなどにおいては、フッ素が接着効果を弱める性質を持つため、歯面研磨の用途ではフッ素が含まれない歯科用研磨剤が用いられることが多いです。

3. 歯科技工用

義歯、入れ歯、被せ物、詰め物など、様々な修復材・補綴物は、患者に適合するよう適切に研磨を施す必要があります。咬合調整、接着面の研磨、つや出しなど、様々な用途の研磨剤が利用されています。