アナログスイッチ

アナログスイッチとは

アナログスイッチとは、アナログ信号のオン・オフを電子的に制御するための装置です。

アナログスイッチは、デジタルスイッチとは異なり、単なる「オン・オフ」ではなく、入力信号をそのまま出力に伝達することができます。信号の振幅や周波数を維持したままスイッチングが行われます。そのため、信号の劣化や機械的な摩耗が発生せず、高速かつ高耐久な動作が可能となります。また、半導体技術の進化により、低オン抵抗 (RON) 、低リーク電流 (IOFF) 、高速スイッチング性能を兼ね備えたアナログスイッチが開発されています。

アナログスイッチの使用用途

機械的なスイッチとは異なり、高速で信号の切り替えが可能な電子部品である、アナログスイッチの使用用途の一例です。

1. 音声・映像信号の切り替え

アナログスイッチは、音声や映像機器の信号経路を切り替えるために使用されています。例えば、オーディオシステムでは、複数の入力ソース (CDプレーヤー、スマートフォン、Bluetoothモジュールなど) を1つのスピーカーシステムに接続する場合、アナログスイッチを使用することでスムーズな切り替えが可能となります。

2. 計測・医療機器の信号切り替え

医療分野では、心電図や脳波計などの測定装置において、複数のセンサーからの微弱な生体信号を選択的に切り替えるためにアナログスイッチが使用されています。医療機器では、低ノイズかつ高精度なスイッチングが求められるため、高性能なアナログスイッチが採用されることが多くなっています。

3. 無線通信・RFシステムの信号経路制御

スマートフォンやWi-Fiルーターでは、複数のアンテナや周波数帯を切り替えて最適な通信を行う必要があります。そのため、RF (無線周波) スイッチとしてアナログスイッチが採用されており、効率的な周波数帯の切り替えが可能となります。また、衛星通信やレーダーシステムにおいても、異なる信号経路を選択するためにアナログスイッチが活用されています。