圧電センサー

圧電センサーとは

圧電センサーとは、圧電効果を用いて力を検出するセンサーのことです。

圧電効果は、石英やトルマリン、強誘電性セラミックスのような一部の誘電体 (圧電体) に見られます。これらの素材に圧力が加わると電荷を生成し、チャージアンプによって電荷が0~10Vの信号に変換されます。すなわち、圧電効果とは機械的応力 (圧力) に比例して電圧が発生する現象です。

圧電センサーは計測範囲が非常に大きいという特徴があり、センサーの小型化が可能です。また、圧電センサーに使用されている圧電素子は、丈夫で軽量化しやすい性質があります。構造は、圧電体を電極で挟み込んだシンプルな構造です。非常に柔軟性があり、厚みの小さいセンサーを製作することも可能です。高温・低温や過負荷に対する耐性があり、長寿命で、疲労耐久性と長期安定性にも優れています。

圧電センサーの使用用途

圧電センサーは、様々な動的圧力、すなわち、荷重、歪み、トルク、振動などの測定に使用されています。

1. 工業用途

工業用途では、主に構造部材の表面に入ったひずみの変化を測定することに使用されています。構造物のひずみは加えられた負荷に比例して生じることから、ひずみを圧電センサーで測定することにより、間接的に荷重の測定を行うことが可能です。

活用されている分野には、プレス加工、圧着加工、圧入加工、溶接加工、切削・研削加工における機械的自動化、組立設備の自動化などがあります。圧電センサーを用いてプロセスの監視や制御が行われています。

製品検査では、スイッチやバネに掛かる力、コネクタの挿抜力を圧電センサーで測定することによって良否を判定することがあります。これ以外にも、機構部品の故障検知、インフラのトラブル検知、ロボットの指先センサなどの用途、振動センサーとしての用途も一般的です。

2. 対人センサー

圧電センサーは対人用途において様々な場面で活用されています。医療分野では、脈波形、脈間隔、脈拍数などのウエアラブル生体センサとして使用されます。 

また、居眠りや疲労を検知するための車両シート、体調の長期モニタリング用の測定寝具、高齢者の見守りマットシートなど、各種対人検知用のセンサーとしても使用可能です。圧電センサーを使用したタッチセンサは、静電容量式タッチスイッチと異なり、手袋装着時や指先や操作面が水などに濡れている際も確実に操作できることから、デジタルデバイスなどの用途として注目されています。