イミダゾリウムとは
イミダゾリウムとは、分子内にイミダゾール環を有するカチオンから構成される塩の総称です。通常は塩として存在するため、イミダゾリウム塩と呼ばれます。
1,3位、または1,2,3位にアルキル基を有する形で取り扱われることが多く、代表的な化合物として1,3-ジメチルイミダゾリウム=ジメチルりん酸塩が挙げられます。この化合物はGHS分類において急性毒性、皮膚腐食性/刺激性に分類されています。また法規制について、労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法においてはいずれも非該当となっています。
イミダゾリウムの使用用途
イミダゾリウムの使用用途としては、イオン液体が挙げられます。従来、塩は無機塩、有機塩に関わらず固体とされてきましたが、近年注目されているイオン液体は塩であるにもかかわらず室温で液体であるという性質を有しています。イミダゾリウムはアンモニウム、ピリジニウムと並んで、イオン性液体のカチオン部分を構成する代表的な塩のひとつです。
イオン液体はその特徴から、溶媒、電析浴、電解質や電解液、潤滑剤などに用いられています。特にリチウムまたはリチウムイオン二次電池の電解質や、燃料電池デバイスとしてのキャパシタなどへの用途は特に注目されている用途ということができます。