オートフック

監修:株式会社ルッドスパンセットジャパン

オートフックとは

オートフックとは、作業現場で使われる特殊なフックの一種で、主に建設現場や工場、倉庫などで重い荷物や資材を吊り上げる「玉掛け」という作業において使用される吊り具です。

オートフックは「自動フック」「オートリリースフック」などとも呼ばれ、荷物を自動的に引っかけたり外したりする機能を持っています。この機能により、作業者が直接手を触れることなく、リモコンやセンサーを使って遠隔操作で荷物を吊り上げたり降ろしたりすることが可能です。

そのため、特に高所作業や危険な場所での作業において、安全性と作業効率が大幅に向上します。

オートフックの使用用途

オートフックは、重い物を持ち上げる必要がある現場全般で活用されています。特に、頻繁に荷物の上げ下げが発生する現場では、オートフックの導入によってワイヤロープ、スリング、フレコンバッグ、リフティングポイントなどからの脱着作業効率が大幅に向上し、労働コストの削減にも貢献できる機材です。

1.建設現場

高所に資材を運ぶ作業において、作業員が手でフックを掛け直す必要がなくなり、安全かつ効率的に作業が進みます。

2.倉庫・物流施設

大型の荷物をスムーズに積み下ろしするために、オートフックが使われることが多いです。

3.工場でのライン作業

大型の部品や製品を移動させる際に、オートフックを使うことによって作業の手間を減らし、効率を上げることができます。

4.港湾作業

船からの荷下ろしや荷積みの際に、短時間で安全に作業を完了させるために利用されます。

オートフックの種類

オートフックには、いくつかの種類があります。それぞれ長所と短所があるため、用途や使用環境に応じて最適なものを選択することが大切です。

1.機械式オートフック

センサーではなく機械的な構造により自動でフックが外れる仕組みを持つタイプです。基本的に、フックに掛ける作業は手作業で行い、荷重が抜けるとリリースされます。

荷物を下ろす際にオートフック自体が着地することによって、オートフックの重心などを利用して、自動的にリリースできる製品が主流です。特別な電源を必要とせずシンプルな構造のため、日常点検で安全に利用できます。

2.電動式オートフック

電動モーターによって開閉が行われるタイプです。リモコンや遠隔操作で簡単に操作でき、複数台のフックを同時に制御が可能です。磁石で対象の吊り点を引き起こし、遠隔で「玉掛け」も出来るタイプもあります。

3.油圧式オートフック

油圧を利用してフックの開閉を行うタイプです。非常に強力な力で荷物を保持できるため、重量物を扱う現場で採用されることが多いです。ただし、油圧設備が必要になるため、設置にはやや手間がかかります。

オートフックの選び方

1.用途に応じた選択

オートフックの種類は多岐にわたるため、使用する現場や用途に最適なものを選ぶことが大切です。

例えば電動式であれば、ワイヤロープやスリングベルトを掛ける作業と外す作業 (玉外し) を遠隔操作できるものもあります。対して玉外しのみの自動化であれば、比較的安価で信頼性の高い機械式が選択できます。

2.荷重制限

吊り上げる荷物の重さに対応できるかどうかも重要です。オートフックには荷重制限があるため、選定時には実際に扱う荷物の重さを考慮し、余裕のある製品を選びます。

3.操作性と安全性

電動や油圧を用いたタイプでは、リモコン操作の有無やセンサーの精度なども確認が必要です。高所作業などで頻繁に使用する場合は、操作が簡単で安全に使用できるものを選ぶことが求められます。

4.コスト

オートフックの価格は種類によって異なります。高性能なものほど価格も高くなる傾向にありますが、作業の効率や安全性向上を考慮すると、コストパフォーマンスも考えて選ぶことが大切です。

本記事はオートフックを製造・販売する株式会社ルッドスパンセットジャパン様に監修を頂きました。

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