チャンバー式真空包装機

チャンバー式真空包装機とは

チャンバー式真空包装機は、食品などの製品を真空状態に密封するための機械です。

まずは包装する対象物をチャンバーと呼ばれる密閉された容器内に置き、その中の空気を排出して真空状態を作り出します。その後、袋や容器を熱でシールして密閉する仕組みです。食品だけでなく医療機器や電子機器など、様々な製品の包装にも利用されます。

食品に真空包装を利用した場合、製品から空気を取り除くことで酸化を防ぎます。これにより、風味や栄養素が維持され、食品が美味しさを保ちます。また、微生物の繁殖も抑える効果があるため、食品の保存期間を大幅に延ばすことが可能です。

チャンバー式真空包装機の使用用途

チャンバー式真空包装機は下記のような用途で使用されます。

1. 食品

食品業界でチャンバー式真空包装機は重要な機器です。肉や魚を真空包装することで酸化を防ぎ、鮮度を保持することができます。空気を抜いた状態で冷凍保存することで、細菌の繁殖を抑制し、品質を長期間維持します。

また、冷凍食品や調理済み食品の包装にも広く利用されます。風味や食感を守るために欠かせません。スナックや乾燥食品の包装でも湿気を防ぎ、パリッとした食感を保つ効果を発揮します。

2. 医療

医療においては、チャンバー式真空包装機で手術用器具や医療用品を真空包装することで、感染症のリスクを大幅に低減することが可能です。特に手術室で使用される器具は清潔さが求められるため、真空包装は欠かせません。また、試薬や生物サンプルの保護にも利用されており、劣化などからサンプルを守ることができます。

3. 化粧品

化粧品にもチャンバー式真空包装機が使用される場合があります。化粧品や香水を真空包装することで、空気や湿気から製品を守り、品質を保持します。特に酸化しやすい成分を含む製品にとって真空包装は非常に重要であり、使用期限を延ばすことが可能です。

4. 電子機器

電子機器に対してはチャンバー式真空包装機が湿気や酸化から保護するために利用されます。特に精密部品などに対して真空包装を行うことで、長期保管や輸送時の安全性を確保できます。これにより、品質が劣化することを防ぎ、製品の信頼性を向上させることが可能です。

チャンバー式真空包装機の原理

チャンバー式真空包装機は密閉されたチャンバーを有し、この中に包装したい製品を配置します。チャンバーは強固な素材で作られており、内圧が低下しても耐える構造を有します。一般的にはステンレスなどの金属を使用されることが多いです。

製品や食品を真空袋または専用の容器に入れ、チャンバー内に設置します。チャンバーの蓋を閉じると、真空ポンプが作動してチャンバー内の空気を排出します。この過程で内圧が低下し、チャンバー内の空気を減らして真空状態にする仕組みです。

真空状態が確認された後、シールバーが加熱され、袋の口を熱でシールします。これにより、袋が完全に密閉され、外部からの空気や水分が侵入しないように加工します。シールは、シールが完了した後、チャンバー内の圧力を元の状態に戻すために外気が導入され、安全に取り出すことが可能です。

チャンバー式真空包装機の選び方

チャンバー式真空包装機を選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 真空層寸法

真空層寸法はチャンバーの大きさを指す指標です。製品がチャンバーに収まることはもちろん、複数の製品を同時に包装する場合や大きな製品を扱う場合には、十分なスペースが必要です。一般的に真空層の寸法はメーカーごとに異なるため、使用予定の製品に応じて適切なサイズを選ぶことが重要です。

2. 到達真空度

到達真空度はチャンバー内でどれだけの真空を作ることができるかを示す指標です。真空度は一般的にkPaなどの単位で表され、数値が低いほど真空度が高いことを意味します。食品や医療用品など、特に品質が重要な製品を扱う場合は高い真空度が求められます。

3. 処理速度

処理速度は真空包装機が製品を包装する速度を示す指標です。商業用として使用する場合、処理速度は生産性に直結します。高速で処理できる機械を選ぶことで、大量の製品を効率的に包装できるため、業務の効率化につながります。

4. 消費電力

消費電力は真空包装機が動作するために必要な電力を指します。エネルギーコストは長期的な運用に影響を与えるため、低消費電力の機種を選ぶことでコスト効率を上げることが可能です。また、電力効率の良い機械は環境への負荷を減らすことにもつながります。