ブレーカープレート

ブレーカープレートとは

ブレーカープレートとは、押出成形機のスクリューの先端と 金型との間に使用される金属部品です。

たくさんの穴が空いた円形状の板で、スクリーンメッシュと呼ばれる金網と共に流路に設置されます。ブレーカープレートとスクリーンメッシュの組み合わせを用いることで、異物除去と背圧上昇の効果をもたらします。ブレーカープレートは清掃により繰り返し使用できる部品です。目詰まりや材料変更のたびに清掃が必要となるため、押出成形機の中にはシリンダーを分解せずにブレーカープレートを交換できるスクリーンチェンジャーを搭載しているものもあります。

ブレーカープレートの使用用途

ブレーカープレートは、押出成形機のシリンダと金型との間に設置される部品です。押出成形機とは、加熱した熱可塑性プラスチックや金属などの材料を、シリンダのスクリューで押し出してチューブやシート、フィルムなどを生産する装置です。

ブレーカープレートの機構上の主な目的には、スクリーンメッシュの保持、成形材料に含まれる異物をろ過によって取り除く、 シリンダ内部の背圧流を増加させ、樹脂の混練効果を大きくする、などがあります。

また、ブレーカープレートは、清掃と再利用を繰り返すことができ、コスト効率の良い部品です。ブレーカープレートの下流の流れを一定速度にする効果もあります。ポリマーのレオロジーテストにおいて、スクリーン領域全体に分布を最適化することも可能です。

ブレーカープレートの原理

1. 押出成形機における役割

ブレーカープレートは、金属製の円板で、多数の穴が空いています。押出成形機において、材料を押し出すシリンダ先端にスクリーンメッシュと共に設置される部品です。スクリーンメッシュは、 ステンレス製の金網であり、30~120メッシュの粗さのものを 1枚、もしくは複数枚重ねます。

ブレーカープレートとスクリーンメッシュを取り付けることで、材料に含まれる異物をろ過によって取り除くことが可能です。また、背圧が生じるため、後述の通り混練効果が上昇します。また、材料の変更や目詰まりの際は、取り外して洗浄機で洗浄を行います。

2. 背圧

背圧とは、シリンダー内において前進する材料と後退する材料のぶつかり合いによって生じる圧力です。この際の流れの様子は背圧流と呼ばれます。

スクリューが回転してシリンダ先端に送り込まれた溶融材料は、ブレーカープレートとスクリーンメッシュに妨げられ、 スクリュー方向へ材料が後退し、剪断が発生して背圧流が生じます。シリンダ内部の背圧流が増加することで、高い混練効果を得ることが可能です。また、加圧により溶融材料の間の空気が抜けるため、ピンホールなどの不具合対策にもなります。

一方では、背圧によって剪断発熱が生じる場合があります。剪断発熱が過剰になると、炭化・熱分解・ゲル化など熱劣化の原因にもつながるため注意が必要です。

また、背圧がかかり過ぎた場合、真空ベントから材料があふれるベントアップが発生するおそれもあります。適切なブレーカープレートとスクリーンメッシュの組み合わせを用いることでこのようなデメリットを防ぐことが可能です。

ブレーカープレートの種類

1. 素材

ブレーカープレートは様々な製品があります。素材では、ステンレスの他、S50C (炭素鋼鋼材) やSUJ2 (高炭素クロム軸受鋼鋼材) などの鋼材、アルミなどが用いられることが多いです。

2. 外形寸法・穴径

ブレーカープレート外形寸法は、押出成形機の大きさに合わせて様々です。小さいものではΦ30mm程度から、Φ115mm、Φ155mm、Φ200mm程度などの種類があります。

プレートに開けられる穴径はΦ2〜4mmを中心に製品によって異なり、 穴の数も概ね400〜1300を中心に様々です。ブレーカープレートの穴径はクラス2、クラス3、クラス4などの区分で分類される場合もあり、クラス2を業界標準として、クラス3、クラス4の順に穴径は大きくなります。それぞれの穴径のブレーカープレートに合った細かさのスクリーンメッシュが使用されます。個々のケースに合わせて開口面積と耐圧強度のバランスを取り、圧力損失を少なくする組み合わせを選択することが必要です。例えば、粘性が高い材料の場合は圧力損失が大きくなりやすいため、穴径の大きいものを用いることで圧力損失を減らすことがで可能です。また、Φ125mm前後までの比較的小さいブレーカープレートには概ねクラス2とクラス3のみが使用されます。

3. 特殊形状

また、押出成形機に合わせて特殊形状のブレーカープレートが使用される場合もあります。例えば、連続スクリーンチェンジャ用ブレーカープレートは凸状です。この構造により、吹き付けが行われる中央部の強度が増しています。