AGV台車牽引治具とは
AGV台車牽引治具とは、AGV (自動搬送ロボット・無人搬送車) やAMR (自律走行搬送ロボット) を使って台車などを牽引する際に用いられる治具です。
AGV: Automatic Guided Vehicle とは、工場などで荷物を自動かつ無人の状態で目的地まで搬送するロボットです。AGV自体が台車型になっている台車型のほか、AGV自体には荷物を積載せず、カゴ台車やパレットを牽引して使用する牽引型などの種類があります。AGV台車牽引治具は、主に牽引型AGVを使用する際に台車やパレットをAGVに取り付けるために使用される製品です。牽引型AGVは、用途に合わせて台車部分をハンドフォークなどに取り替えられるというメリットがあります。また、荷物の量に合わせて台車部分の数を増やせるという利点もあります。
AMRは、AGVと異なり事前にガイドを設置する必要はなく、障害物や人を自動で避ける機能がある搬送ロボットです。AGVと同様に、無人搬送に使用することが可能です。
AGV台車牽引治具の使用用途
AGVは、主に工場や大型倉庫などの現場において、効率的に荷物を輸送するために使用されています。台車・フォークリフトやベルトコンベアに代わる資材搬送手段として利用されている技術です。予め設定した経路に沿って自動で走行するため、省力化や効率化の上でメリットがあります。
AGV台車牽引治具は、AGVにパレット、カゴ台車やハンドフォーク、6輪カートなどを取り付けて牽引するために使用されます。場合によっては貨物列車のように複数のカゴ台車などを牽引することも可能です。
その他工場以外に使用されている現場では、病院における医療器材や、食事の配膳の搬送などがあります。
AGV台車牽引治具の原理
1. AGV台車牽引治具の構造
AGV台車牽引治具は、複数のユニットで構成されています。具体的なユニットの例には下記のようなものがあります。
- チャッキングユニット
- スイッチユニット
- フレームユニット
チャッキングユニットは、上爪・下爪などを備え、牽引台車を固定するパーツです。チャッキングロッドなどの機構により、台車を近づけてロッドを下げるなどのワンタッチ操作で簡単に上下の爪を閉じることができるようになっています。カゴ台車のLアングル部等を物理的に掴んで固定する機構です。
また、ハンドフォークリフトなどを固定する機構でも、ワンタッチで脱着ができるようになっています。
2. AGV台車牽引治具で牽引可能な台車の例
- パレット台車
- ロール台車
- 天秤台車
- カゴ車
- ドーリー
- ハンドフォーク
- 4輪/6輪カート
AGV台車牽引治具の種類
1. 概要
AGV台車牽引治具には様々な製品があります。形状では、大きく分けて台車用治具とハンドフォーク用治具があります。ハンドフォークリフトは、メーカー、種類によって形状・寸法が様々であり、ハンドル形状も樹脂製や鉄パイプ製など多様なものがありますが、牽引治具は柔軟に対応することが可能です。
また、全自在輪キャスターの台車を牽引する場合、AGV後続の台車の軌道が大きく振れてしまう場合がありますが、レギュレーションユニットを備えた製品では、台車をAGV軌道に沿って安定走行させることができるようになっています。大きなかご台車も大きく振れることがなく、安全です。
2. 自動切り離し機能
牽引治具の中には、、AGVからの信号を受けて牽引搬送物を自動で切り離す機能を搭載している製品があります。自動で搬送、切り離しを行い、元の場所に戻ることができるため、大幅な省力化が実現可能です。
3. フローティング機能
フローティング機能とは、連結部分の特殊な構造による機能です。しっかりチャッキングしながらも靭やかな動きに対応します。下記のようなケースに柔軟に対応することが可能です。
- 牽引搬送台車・カートの高さが異なる
- 走行路に段差がある
- チャッキング高さが安定しない天秤台車