トレーシーラー

トレーシーラーとは

トレーシーラーとは、食品や医薬品をトレーに入れて、その上からフィルムを密封する包装機械です。

主に食品業界で利用されており、製品の鮮度保持や衛生管理に大きく貢献します。フィルムでトレーをしっかりと密封することで、外部の酸素や水分を遮断し、保存性を高めることが可能です。さらに、トレーシーラーの中にはMAP包装 (Modified Atmosphere Packaging、ガス置換包装) に対応して製品もあります。MAP包装により、酸化や劣化を防ぎながら品質を長期間保つことができます。

トレーシーラーの使用用途

トレーシーラーは、食品業界で多用途に使用され、肉や魚、加工食品、サラダ、冷凍食品などの包装に用いられます。特にMAP包装が必要な生鮮食品の包装には効果的で、酸素を窒素や二酸化炭素といったガスで置換することで、食品の鮮度を長期間維持することが可能です。また、医薬品や他の衛生面が重要な製品の包装にも使われ、広い範囲で役立っています。MAP包装により、食品の酸化や細菌の増殖が抑制され、消費者に安全で新鮮な製品を届けることができます。

トレーシーラーの原理

トレーシーラーは、トレーに製品を入れ、その上にフィルムをかぶせてシールします。フィルムとトレーの縁を加熱し、圧力をかけることで密封する仕組みです。これにより、外部の空気や湿気から製品を保護し、鮮度を保つことができます。

MAP包装が可能なトレーシーラーでは、シール前にトレー内の空気を窒素や二酸化炭素などのガスで置換します。酸素を除去し、微生物の増殖を抑えることで、長期間にわたり製品の品質を保つことが可能です。また、真空シール機能を持つ機種では、トレー内の空気を完全に抜いて密封することもでき、さらに保存性が高まります。

トレーシーラーの種類

1.手動トレーシーラー

 手動でトレーをセットし、シールする小型機械です。コストが低いため、小規模な店舗やベーカリーに適しています。

2.半自動トレーシーラー

 トレーのセットを手動で行い、シール工程は自動化されているタイプです。中規模の生産ラインに向いており、MAP包装に対応しているモデルもあります。

3.全自動トレーシーラー

 大量生産を目的とした機械で、トレーの供給からシール、ガス置換まで全て自動化されています。MAP包装が必須な食品工場や品質管理が厳しいラインで使用されるタイプです。

4.MAP包装対応トレーシーラー

 MAP包装機能を備えたモデルは、ガスを用いてトレー内の酸素を置換し、長期間の鮮度保持が可能です。特に鮮度が重要な生鮮食品の包装に適しています。

5.真空トレーシーラー

 トレー内の空気を抜き、真空状態でシールする機械です。酸化を防ぎ、製品の劣化を最小限に抑えます。ただし真空とレーシーラーであっても、完全に酸素を取り除けるわけではありません。

トレーシーラーの選び方

1.生産量と効率性

 大量生産を行う場合は、全自動タイプが最適です。一方、少量生産の場合は手動や半自動のタイプが適しており、生産効率に合わせた機種選びが求められます。

2.包装する製品の種類と保存性

 生鮮食品など鮮度が重要な製品には、MAP包装機能が搭載されたトレーシーラーが適しています。酸化を防ぎながら保存性を向上させますが、使用するガスの種類や量を考慮した製品選定が大切です。

3.操作性とメンテナンス性

 全自動機は操作が簡単で生産効率が高いですが、手動や半自動タイプはコスト面で有利です。また、メンテナンスのしやすさも重要で、特にトレーやフィルムの交換や機械の清掃がスムーズに行えるかどうかを確認して選ぶことが大切です。

4.初期投資とランニングコスト

 機能が多い機種ほど初期コストが高くなりますが、長期的には効率向上によってコスト削減が期待できます。予算に応じて、性能とコストパフォーマンスを考慮した選択が重要です。

5.トレーやフィルムの対応範囲

 機種によって対応可能なトレーの形状やサイズが異なります。複数の製品ラインに対応するには、さまざまなサイズのトレーやフィルムに適応できる機種を選ぶと、柔軟な運用ができます。