リバースシーター

リバースシーターとは

リバースシーターとは、食品製造業や製パン業で使用される機械の一種で、主にパン生地やパイ生地などを一定の厚さに延ばすために使われます。

「リバース」とは「逆方向」を意味し、リバースシーターは生地をローラーとシーターボードの隙間に前後させながら、均一な厚さに整える仕組みが特徴です。リバースシーターを使用することで、均質なシート状の生地が効率的に生産され、作業のスピードや加工の品質が向上します。

リバースシーターの使用用途

リバースシーターは、パンやペストリー、クロワッサン、パイなどの製造工程で特に多く用いられています。これらの製品は一定の厚さや形状が求められるため、正確な加工が欠かせません。また、生地を均一に伸ばすことで、安定した焼き上がりを実現し、見た目や食感の品質向上にも寄与します。冷凍生地の加工や、薄い生地を作る際にも活用され、多様な製造現場で重要な役割を果たしています。

リバースシーターの原理

リバースシーターは、ローラーとシーターボードの隙間に生地を繰り返し通しながら延ばしていく装置です。これにより、生地の気泡が抜け、グルテンの形成が適切に促進されます。ローラーとシーターボードの間隔を調整することで、生地の厚さを細かく制御できるため、さまざまな製品の要件に対応可能です。生地がローラーを通過するときに加わる圧力も調整され、各製品に最適な柔らかさや伸び具合が維持されます。

また一部の大型機では、シーターボードがベルトコンベアの形態をとるものも見られます。

リバースシーターの種類

1.フロアスタンド型リバースシーター

 床に設置される大型機で、大量生産に適しています。パン工場やペストリー工場のような大規模な製造ラインでよく使用されます。

2.テーブルトップ型リバースシーター

 コンパクトでテーブルの上に設置できるタイプです。小規模なベーカリーやレストランなど、限られたスペースでも十分な性能を発揮します。手動タイプも多く見られます。

3.全自動リバースシーター

 最新技術を搭載し、プログラム設定によって自動的に生地を最適な厚さに延ばすことができるモデルです。操作が簡単で効率的なため、特に大量生産が必要な製品ラインに適しています。

4.半自動リバースシーター

 一部のプロセスが手動で行われるため、柔軟性が高く、コストパフォーマンスに優れています。小規模な製造現場や、生地の種類に応じて調整が必要な場合に活躍します。

リバースシーターの選び方

1.生産規模と使用頻度

 生産量が多い場合は、大型のフロアスタンド型が向いています。一方、小規模なベーカリーやレストランでは、コンパクトなテーブルトップ型や半自動タイプが適しています。使用頻度も考慮し、耐久性やメンテナンスのしやすさも確認することが重要です。

2.加工する生地の種類

 リバースシーターはさまざまな生地に対応できますが、特定の生地に特化したモデルもあります。特に薄い生地を扱う場合には、精度の高いローラーや調整機能が必要です。また、柔らかい生地や高水分の生地を扱う際には、ローラーの素材や圧力調整が重要なポイントとなります。

3.操作性と自動化のレベル

 全自動タイプは操作が簡単で生産効率を高めますが、初期費用が高い傾向があります。一方、半自動タイプはコストが抑えられる一方で、熟練した操作技術が求められることがあります。どの程度の自動化が必要かを考えて選ぶことが大切です。

4.メンテナンス性と耐久性

 リバースシーターは頻繁に使用されるため、メンテナンスが簡単で耐久性が高いものを選ぶことが大切になります。特にローラーの清掃や部品交換がスムーズに行えるか、長持ちする素材が使われているかを確認することが重要です。

5.価格とコストパフォーマンス

 機能と価格のバランスも重要な要素です。高機能なリバースシーターは初期投資が高くなりがちですが、効率的な生産が可能なため、長期的なコスト削減につながることがあります。