消煙灰皿

監修:株式会社ジー・スリー

消煙灰皿とは

消煙灰皿とは、自動でたばこの煙を消火する機能が備わっている灰皿です。

従来の灰皿は、たばこを捨てる前に確実に火を消す手間があったり、燃えカスの燃焼の危険、汚染水の廃棄など様々な問題がありました。消煙灰皿は、たばこが燃えて発生する二酸化炭素を利用し、自動で煙を消す仕組みの灰皿です。より確実に消火する機能だけでなく臭いを灰皿内に留めることができます。

健康志向の高まりと各種法整備の結果により、受動喫煙を防止するため、今日では各種施設などにおいて従来よりも高い分煙化が必要です。各種喫煙所や喫煙ブースなどで活用されています。喫煙ブースのオプションとしてセットで販売されることもあります。

消煙灰皿の使用用途

改正健康増進法が施工された2020年4月以降、様々な施設において、受動喫煙防止として全面禁煙もしくは分煙の措置が取られるようになりました。従来の灰皿は、火を消す手間があったり、臭いがつきやすいという問題がありました。また、水を使わない灰皿では火が完全には消えていない場合に燃えカスが燃える危険があったり、水を使う灰皿では、水に触れることでたばこの臭いが強くなったり、汚水の廃棄に関わる問題もあります。

消煙灰皿は、より安全でクリーンな灰皿としてこれらの問題を解決することができます。喫煙ブースなどの分煙に配慮された喫煙専用スペースなどにおいて活用されている製品です。

主な導入施設には下記のようなものがあります。

  • 各種飲食店
  • 商業施設、スーパーマーケット
  • 遊技場 (ボウリング場、カラオケ、パチンコ)
  • オフィス、事務所
  • ホテル、旅館
  • 結婚式場、パーティー会場
  • 公共施設、行政庁舎
  • サービスエリア・パーキングエリア
  • ゴルフ施設
  • ショッピングモール
  • 大学
  • 工場
  • レンタルスペース

これらの施設において、排気設備を備えた屋内用の喫煙ブースのほか、屋外の喫煙所などにおいて、消煙灰皿は使用されています。清掃性が高く、喫煙所周囲の環境美化にも貢献することが可能です。

消煙灰皿の原理

消煙灰皿は、一般に流入する酸素の量が制限されるようになっています。たばこが燃えて発生する二酸化炭素は、空気より重いため下方に溜まります。消煙灰皿は対流や滞留によって下の方にある吸い殻に二酸化炭素を充満させて消火する仕組みです。

水を使用しないため汚染水も発生せず、たばこ特有の臭いも発生しにくい仕組みです。燃えカスによる火災のリスクも抑えることができます。また、灰が飛び散らず、アルミ袋の使用により丸ごと廃棄できるため、より清潔です。また、安全のため、転倒しにくい設計です。

製品によっては、自動消火までの間に煙が出ますが、酸欠状態にて確実に消化します。この場合、瞬間消火ではないので、屋外での使用が推奨される場合もあります。

消煙灰皿の種類

消煙灰皿は、様々なメーカーで製造販売されており、多様な種類があります。

1. 容量

1人用の使用を想定したスリムな製品から、複数名で使用可能な製品まで様々な大きさがあります。容量は2〜3L程度のものから、不特定多数が使用する大型施設などを想定した15L以上のものまで様々です。1人用のものでも吸い殻400〜500本を捨てることができ、1,000本を超える吸い殻を捨てることができる製品もあります。

2. 形状・色

形状については、直方体型、円筒形など、様々なものがあります。据え置きで使用するものの他、取っ手がついているものは持ち運びすることも可能です。倒れないように重量があるため、小型の製品で数kgの重さがあります。

多くの製品で部品を取り外したり分割したりすることができるようになっており、清掃が容易です。投入口をすり鉢状に小さくすることでより清掃性が高くなっている製品もあります。色は、ブラック、ホワイト、メタリックなど、様々な製品があり、周囲の意匠に合わせて選定することが可能です。

本記事は消煙灰皿を製造・販売する株式会社ジー・スリー様に監修を頂きました。

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