酸素カプセルとは
酸素カプセルとは、人が中に入って使用する健康機器の一種で、高気圧・高酸素濃度環境を作り出す装置です。
酸素濃度の高い環境に入ることで、リフレッシュ効果が期待され、疲労回復や運動後のコンディショニング、美容に関心のある方などに利用されています。
酸素カプセルは、リラックスして横になることができ、プライベートな空間でくつろぎながら使用できます。また、部屋型の酸素ボックスに比べて、省スペースで設置しやすいという特徴があります。
酸素カプセルの使用用途
酸素カプセルの、主な導入施設の例には下記のようなものがあります。
- エステティックサロン、リラクゼーション、美容室
- スポーツジム
- スポーツチーム (サッカー・フットサル、野球)
- ゴルフ場
- 整骨院、整体院
- 介護施設 (リハビリルーム) 、デイケア
- 個人宅
酸素カプセルの原理
1. 動作の仕組み
酸素カプセルは、コンプレッサーにより大気中の空気を取り込んで内部の気圧を上げる仕組みです。ヘンリーの法則: 「液体に溶解する気体の量は、気圧に比例して増加する」を利用して、大気を加圧することで体に取り入れる酸素を増加させています。
人体の体内には、結合型酸素と溶解型酸素と呼ばれる2種類の酸素があります。結合型酸素は血液中のヘモグロビンと結びつく酸素であり、溶解型酸素は血液や体液に直接溶解している酸素です。結合型酸素はヘモグロビンの量を超えて運ばれることはありません。また、全身の血管の90%は毛細血管ですが、結合型酸素は分子量が大きく毛細血管を通りにくいという特徴があります。
高圧酸素カプセルは酸素分圧を上げることで、溶解型酸素 を通常の3倍以上に増やします。高気圧環境であるカプセル内で高濃度酸素を吸入することにより 、日常呼吸時や酸素吸入時に取り込む量よりも多くの酸素を身体に取り込むことができます。
2. 基本仕様
酸素カプセルは基本的に最大1.3〜1.5気圧程度まで加圧可能です。また、1名用であり、横向きに寝転がって使用するため、高さがない場所にも設置可能で、1.5畳程度の場所があれば設置することができます。尚、緊急排気弁などの安全装置が搭載されています。
30分ほどから90分ほどまでの使用が可能ですが、一般的には35分前後で使用されることが多いです。
酸素カプセルの種類
酸素カプセルには、ハードタイプやソフトタイプなどの種類があります。
ハードタイプは金属や樹脂でできており、据え置きで業務用に使用するのに適しています。ソフトタイプの酸素カプセルは、布製であり、折りたたんで収納することも可能です。ハードタイプは75kg前後の重量がありますが、ソフトタイプは、本体10kg、制御装置16kg前後です。ソフトタイプは、重量制限によってハードタイプが使用できない場合や、アスリートなどが持ち運びで使用する場合、個人宅で使用する場合などに使用されています。
また、ハードタイプを中心に、全自動式の製品もあります。全自動の製品では、時間や気圧を設定し、気圧上昇から、高気圧状態の維持、減圧までが全自動で行われます。利用者本人が操作することができるようになっており、1人でも使用することが可能です。。