監修:大森機械工業株式会社
カートナーとは
カートナーとは、カートンと呼ばれるボール紙製の箱に対象物を自動で詰める装置の総称です。
カートンは印刷されたコートボール紙やクラフト紙で作られており、輸送時の保護や商品訴求の目的で広く使用されます。軽量でありながら強度があり、印刷がしやすい特性を有します。カートンボックスなどとも呼ばれます。
カートナーは自動化により、手作業に比べて遥かに速く製品を包装できるため、大量生産が迅速に行えます。これにより、全体的な生産ラインの効率が向上し、作業負担が軽減されます。また、一度設定すれば継続的に動作するため、労働者の数を減らすことができ、人件費削減も実現することが可能です。
カートナーの使用用途
カートナーは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
1. 食品
食品業界では、カートナーは主に一次包装された食品の二次包装に使用されます。スナック菓子やチョコレートなどのピロー包装品などを規定数集積させて箱詰めすることが可能です。食品業界では衛生管理が非常に重要ですが、カートナーは人手を介さず自動で包装するため、食品の品質保持や保護に貢献します。
また、ピロー包装品だけでなくボトル品やパウチ品などさまざまな形状の包装にも利用されます。製品を迅速にまとめて箱詰めすることで物流の効率化を図ります。
2. 医薬品
医薬品業界では内服薬などに代表されるPTPシートや貼り薬のパウチ包装品などの包装にカートナーが使用されます。添付文書や注意カードなどの副資材を同梱する機能も兼ね備えたカートナーが一般的で、性能および品質の高い装置が求められます。ホットメルトやテープなどで確実に封函することで改ざんを防止し、安全・安心な医薬品を提供することができます。
3. 化粧品
化粧品業界ではクリームやパウダーなどの包装にカートナーが使用されます。多様な形状・サイズのパッケージに対応し、ラベルや説明書の貼付も行う機種を選定することが可能です。これにより、製品のブランドイメージを保ちつつ、使いやすい製品を提供することができます。
4. 家庭用品
家庭用品や日用品においても、清掃用品や家庭用化学製品などを包装するために使用されます。カートナーはこれらの製品を効率的に包装し、輸送や陳列に適した形態に整えることが可能です。大容量の製品や複数のアイテムをまとめてパッケージすることができ、コスト削減や物流の効率化に寄与します。
カートナーの原理
カートナーは製品を自動で供給するためのコンベアやフィーダーなどが付帯されることが多いです。製品が一定の間隔で正確に供給され、次工程へと進みます。
次に、カートナーでは包装材料の供給・成形を行います。包装材料はブランクカートンや胴貼りカートンで供給され、カートナーによって適切な形状に成形されます。例えば、ラップアラウンドの場合などは平らなカートンが自動的に折りたたまれて自動でボックスの形状になります。製品が成形されたカートンに挿入されると次の工程は封函です。フラップと呼ばれるフタを閉じ、ホットメルトなどの接着剤やテープで封をします。
このように、カートナーは一連の自動プロセスを通じて、製品の包装を迅速かつ正確に行い、コスト削減と品質の一貫性を実現します。
カートナーの選び方
カートナーを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。
1. 対象物
対象物のサイズや形状を考慮して、製品の特性に合わせたカートナーを選定することが重要となります。異なるサイズのパッケージに対応する場合は兼用範囲を満たすカートナーを選定します。
2. 包装種類
使用する包装材料の種類に応じたカートナーを選ぶことが重要です。カートナーが対応できる包装材の種類やサイズ、厚さなども確認しておく必要があります。採用予定の包装材の材質や形状に適した機能を有することを確認します。
3. 速度・効率
包装の速度と生産効率も選定の重要なポイントです。生産ラインのスピードに応じたカートナーを選ぶことで、効率的に作業を進めることができます。必要な包装速度を考慮し、カートナーの処理能力やサイクルタイムがそれに対応できることを確認します。
4. 操作性・メンテナンス
カートナーの操作が簡単であること、またメンテナンスが容易であることも重要のポイントです。操作が直感的であることや、トラブルシューティングが容易であることを確認します。部品交換が簡単であることも確認する必要があります。
また、信頼できるメーカーから購入することも重要です。メーカーのサポート体制やアフターサービスが充実している場合、使用中のトラブルも最小限に抑えることができます。保証などについても確認しておくと安心です。
本記事はカートナーを製造・販売する大森機械工業株式会社様に監修を頂きました。
大森機械工業株式会社の会社概要はこちら