基板修理

監修:株式会社トリコ

基板修理とは

基板修理とは、電子機器や電気機器の基板に発生した故障や損傷を修理する作業です。

購入が難しく、手間や時間がかかる海外製の基板や、生産終了・メーカー保証切れ・メーカーでの保守期間終了などにより、購入不可・修理不可となってしまった基板でも専門業者で修理をすることが可能な場合が多くあります。

また、基板故障による装置新規購入や生産ラインの更新を防ぎ、コストを大幅に削減することができます。

基板修理の使用用途

基板修理のサービスは様々な業界で活用されます。以下はその一例です。

1. 通信業

通信業界では、ルーターやスイッチ及び基地局などの通信機器に使用される基板が不可欠です。これらの基板が故障すると、通信サービスの中断や品質低下が発生する可能性があります。基板修理によって、迅速に故障を修正し、通信サービスの継続性を確保することができます。

2. 製造業

製造業では、自動化機器や制御盤、産業用ロボットなどの基板が重要な役割を果たしています。これらの基板は生産ラインのプロセスを制御し、機器の正確な動作を確保します。基板が故障すると生産ラインが停止するリスクがあり、結果として大きな生産損失が発生することも多いです。

基板修理を行うことで、機器を迅速に復旧させ、生産のダウンタイムを最小限に抑えることができます。修理後も長期間使用できる場合が多く、機械設備の寿命を延ばすことが可能です。これにより、コスト削減と効率化を図ることができます。

3. アンティーク業

基板修理は古い電子機器やアンティークな家電製品などにおいて、広く活用されます。 アンティーク家電の基板が故障した場合、修理により機器の機能を復元し、その歴史的価値を保つことができます。オリジナルの状態をできるだけ保ちつつ、適切な部品を使用して修理することで、アンティークの価値を維持することが可能です。

基板修理の原理

基板修理は電子機器のプリント基板 (PCB) に発生した故障や損傷を修復するプロセスです。PCBは絶縁体の基板上に導電性の回路パターンが印刷された部品です。電子部品を支え、電気的に接続する役割を有します。

PCB上には抵抗やコンデンサまたはICなどの電子部品が取り付けられています。これらの部品によって回路が構成されています。また、はんだ付けされた端子によって外部からの信号を送受信したり、電源を供給したりすることが多いです。

基板修理は、まず故障を特定することから始まります。テスターやオシロスコープを使って、回路の動作や電圧・電流の異常を検出します。目視でのクラックや焼損の確認も行います。

故障した部品が特定された場合、新しい部品と交換することで復元する仕組みです。交換する部品は、元の部品と互換性がある必要があります。新しい部品を取り付ける際には、基板のパッドと端子が正しく接続されるように注意します。

基板修理(サービス)の選び方

基板修理のサービス業者を選定する際は、以下について考慮することが重要です。

1. 専門知識

専門性と経験は、基板修理の成否に大きく影響します。修理サービスを選ぶ際には、技術者の経験などを確認することが必要です。基板修理に関する深い専門知識や実績のある技術者がいる場合、複雑な問題や特殊な機器にも適切に対応できる可能性が高くなります。

2. 信頼性

修理後の品質を保証するために、どのような保証やアフターサービスが提供されるかを確認します。修理後に問題が再発した場合、適切な対応が受けられることが大切です。また、顧客のレビューや評価をチェックすることで、そのサービスの実際のパフォーマンスや信頼性についての客観的な意見を得ることができます。

3. コスト・納期

コストと納期も見逃せないポイントです。修理費用の見積もりが明確であり、費用の内訳が詳細に示されていることが重要です。費用の透明性があれば、予算内で修理が行えるかどうかを判断しやすくなります。

また、修理にかかる時間や納期も重要です。特に急ぎの修理が必要な場合には、迅速な対応が可能であることを事前に確認しなければなりません。

本記事は基板修理を製造・販売する株式会社トリコ様に監修を頂きました。

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