自動車シート

自動車シートとは

自動車シートとは、自動車の座席です。

大きく分けて運転席や助手席に使用されるフロントシート、後部座席に使用されるリアシートがあり、 1席ずつ離れているセパレートシート、左右がつながっているベンチシートなどの形状の種類があります。使用される素材にはファブリックやレザーなどの種類があり、機能性を高めた様々な製品が開発販売されています。

自動車シートの使用用途

自動車シートは、様々な種類の自動車で使用されています。一般的な乗用車の他、軽自動車、SUV、ミニバン、商用車、トラック、スポーツカーなど様々な車種があり、それぞれに適した自動車シートが使用されています。

1つの車両の中でも運転席、助手席、後部座席では異なった種類のシートです。また、骨盤の沈み込みを深くして自動車レース等のドライバーの着座姿勢の安定性を高めたスポーツシートや、空気ばねとダンパーを用い、フロアからの振動を吸収するトラック用シートなど、機能性を追求して使用される製品もあります。

自動車シートの原理

自動車シートの一般的な構造は、

  • シートフレーム (基本骨格)
  • ウレタン製のシートクッション (座面) 
  • トリムカバー (表皮材) 
  • シートフレームワイヤー (ワイヤー状のスプリング)
  • シートバック(背もたれ)
  • ヘッドレスト
  • シートバックの角度を調整するリクライニングアジャスタ
  • シートの前後調整を行うシートレール
  • 腰の負担を軽減するランバーサポート
  • シート座面サイドを支えるサイドサポート

で構成されます 。これらのパーツは金属の基本骨格であるシートフレームに、各パーツがアッセンブリされている構造です。1席ずつ離れているものをセパレートシート、左右がつながっているものをベンチシートと呼びます。

運転席、助手席、後部座席で求められる座席の機能性は異なっており、それぞれに適した機能が備わっているようデザインされています。例えば、運転席で使用されるフロントシートのフレームは、乗員の体を適切に支持するための剛性を持ちますが、それだけでなく自動車が衝突した際に加速度によって生じる大荷重に耐えられるよう強度が高められている部品です。

自動車シートの種類

1. 概要

自動車シートには、布素材、もしくは、革素材が使用されており、素材によってファブリックシートとレザーシートに分けることができます。

また、それ以外でも、機能性によって様々な種類の製品があります。例えば、バケットシートは、左右の縁が高く立ち上がっており、体の固定機能を高めたシート形状です。運転時間が長時間となるトラック用には、フロアからの振動を吸収するエアサスペンション付きシートが使用されることもあります。その他特殊シートとしては、疲労低減シートや車酔い低減シートなどが開発されています。

2. ファブリックシート (布素材)

自動車シートで使用されるファブリックシートの種類には、主に、

  • 織物ジャージ
  • トリコット
  • モケット

があります。

織物ジャージとは、経糸と横糸を交互に与わせることで織り上げられる (平織) 素材です。柔らかいものから固いものまで種類は様々ですが、さらっとした手触りがあります。ファブリックシートの中では比較的汚れが付きにくい素材です。

トリコットはなめらかでややつるつるとした手触りであり、モケットはしっとりとした手触りが特徴の素材です。トリコットは、編み生地と織り生地の中間のような質感ですが、モケットは柔らかいパイルの風合いと強い摩擦強度を兼ね備えた繊維です。特に毛が長いタイプのモケットは滑りにくく、電車やバスなどの公共機関でも多く使われています。

3. レザーシート (革素材)

レザーシートの素材の種類は主に

  • アルカンターラ
  • セミアニリン
  • ナッパレザー

があります。

アルカンターラとは、人工皮革の一種です。名称は、日本の化学メーカー東レとイタリアのアルカンターラ社が作っていることによります。人工皮革なので、本革に比べて耐久性、耐光性、通気性に優れており、天然スエード材の手触りと外観を持っています。

セミアニリンとは、本革の一種であり主に高級車のシートに使われる素材です。ナッパレザーとは、柔らかく薄めのレザーの総称です。