小型フライス盤

監修:株式会社システムクリエイト

小型フライス盤とは

小型フライス盤とは、回転するカッターを使用して切削加工する小型装置です。

フライス盤は工作機械の一種であり、金属やプラスチックなどの素材を切削加工するために使用される装置です。回転する切削工具であるフライスカッターを使用して素材の表面を削り取り、所望の形状や寸法を作り出します。小型フライス盤は一般的なフライス盤よりも小型な点が特徴で、作業スペースに制約がある場所で使用されることがあります。

また、小型フライス盤は一般消費者や小規模企業にとって手頃な価格で入手できる場合があります。これにより、予算の制約がある場合でも、部品加工や試作品の製造などの活動が可能です。教育機関や研究機関での学習用途にも適しています。

小型フライス盤

図1. 小型フライス盤

小型フライス盤の使用用途

小型フライス盤は以下のような用途で使用される場合があります。

1. 玩具工房・DIY

小型フライス盤を使用して、金属やプラスチックなどの素材から工芸品を製作することが可能です。たとえば、模型船や飛行機の部品またはジュエリーなどの小物を作製することができます。また、木工や金属加工などの技術を磨くために、練習用途として小型フライス盤を使用することもあります。

2. スタートアップ企業

スタートアップ企業において小型フライス盤を使用して、部品の小ロット生産や試作品の製作を行います。例えば、特注の金属部品やプロトタイプの開発に活用することが可能です。小型フライス盤は大規模な機械加工センターと比べて設備投資や運用コストが低いため、小規模な生産活動に適しています。

3. 教育

学校の工学部門では、小型フライス盤が工学教育や研究活動の一環として利用されます。学生や研究者は加工プロセスやCAD/CAMソフトウェアの使用方法を学ぶために小型フライス盤を活用します。また、研究目的で特注実験装置の製作に使用されることも多いです。

小型フライス盤の原理

フライス盤の原理は回転する切削工具であるフライスカッターを使用して、素材の表面を削り取ることです。工具の回転運動と作業台の直線運動を組み合わせて、所望の形状や寸法を作り出します。切削工具は回転することで素材の表面を削り取り、作業台は工具の位置を調整して素材を正確に加工するための支持体として機能します。

フライス盤の基本的な構造体はベースと呼ばれます。ベースには作業台や主軸などの重要な機構が取り付けられる仕組みです。主軸はフライス盤の中心部に位置し、フライスカッターを取り付ける回転軸です。主軸はモーターによって駆動され、工具を回転させて素材を削り取ります。モーターには電気によって駆動する誘導電動機を使用されることが多いです。

作業台は切削される素材が固定される平らな台です。上下左右に移動することができ、素材の位置を調整して正確な加工を行います。また、作業台には固定具やクランプが取り付けられ、素材を安定して保持することが可能です。

小型フライス盤の原理

図2. 小型フライス盤の原理

小型フライス盤の選び方

小型フライス盤を選ぶ際は、以下のような選定要素を考慮することが重要です。

1. 加工可能材料

小型フライス盤は、金属やプラスチックなどの様々な素材を加工できるように設計されています。加工したい素材に応じて、適切なフライス盤を選択することが重要です。たとえば、金属加工には耐久性のある主軸と十分な切削力が必要です。

2. 加工サイズ

加工可能なサイズは小型フライス盤を選ぶ際の重要な要素です。加工する対象物のサイズに応じて、適切な作業台の寸法や作業範囲を確認する必要があります。小型フライス盤の場合は作業範囲や作業台の移動距離が制限されていることがあるため、加工する対象物に合わせて適切なモデルを選ぶことが重要です。

3. 本体サイズ

小型フライス盤の本体サイズも重要な要素です。本体サイズは移動や保管の容易さにも影響を与えます。作業場のスペースや収納スペースに合わせて、適切なサイズのフライス盤を選択する必要があります。

4. 電源

小型フライス盤にはAC電源またはDC電源を使用するモデルがあります。一般的にAC電源を使用するフライス盤は、家庭や工場の一般的な電源に接続可能です。一方、DC電源を使用するモデルはバッテリーで動作可能なため、移動や屋外での使用に適しています。

本記事は小型フライス盤を製造・販売する株式会社システムクリエイト様に監修を頂きました。

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