作業着とは
作業着とは、作業や労働を行う際に着用される衣服一般を指します。
作業服と呼ばれる場合もあります。広義の意味では作業中に着用していればどんな衣服でも作業着とされますが、一般的に作業着として販売されている製品は、効率的かつ安全な作業を目的として動きやすさや機能性、生地の丈夫さなどが配慮されたウェアです。尚、業務内容に合わせて付加される機能性には、防寒性や難燃性、静電防止加工などがあります。作業者の衣服を統一するという制服的役割で使用する場合もあります。
作業着の使用用途
1. 概要
作業着は、工事現場や作業場などにおいて労働・作業時に着用されています。作業着を着用する主な目的は下記の通りです。
- 危険から身を守り安全確保を行う
- 動きやすく機能的な服装をすることで作業効率を上げる
- ユニフォーム的な役割で統一感を持たせる
作業着は、伸縮性が有る適度な厚みの生地で作られており、引っかかりの原因となるような装飾を持たないシンプルな衣服です。そのため、作業中の怪我から身を守ることができ、動きやすさのために作業効率を上げることができます。服装を統一することで現場の士気を高める効果も期待できます。
2. 主な業種
作業着は、身体を動かして作業する様々な業界で使用されています。作業着が着用される業種には主に下記のようなものがあります。
- 製造業一般
- 自動車整備
- 土木、建設、建築業
- 溶接、鉄鋼、機械業
- 運送業、配送業
- 林業
- 漁業
- 造園業
- 交通整理、線路整備
- 清掃業
- 飲食店
また、身体を動かして作業する職種以外でも、事務などにおいて服装の統一のため、作業着が着用される場合があります。
業務用以外にもタウンユースで使用できるデザインの製品が増えているため、アウトドアやスポーツなど、家庭用でも使用されることが多くなっている製品です。
作業着の原理
作業着は、作業中の安全を確保し、効率的な作業のために着用される衣服です。
- 肌の露出を抑える
- ほこりや汚れの侵入を防ぐ
- ストレッチ性が高いため、様々な身体の動きに対応する
- 作業に合わせた機能性 (防炎・撥水・防汚など) により快適に作業を行う
などの基本機能が挙げられます。また、大きなポケットが付いているカーゴパンツなどでは、工具などを収納・装着できるというメリットも挙げられます。
作業着の効果を適切に得るためには、正しく着用することが必要であり、主には
- 身体にピッタリと合うサイズを選ぶ
- ほころびは修繕する
- 肌を露出しない
などに気をつけることが必要です。
作業着の選び方
作業着は用途が多岐に渡るため、付加される機能性にも下記のような様々な種類があります。用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。
1.撥水・防水
撥水加工や防水加工付き作業着は、農作業や漁業などの水を扱う現場や造園業などの雨風にさらされやすい屋外作業などにおいて選択されます。
2.防炎
溶接や鉄鋼など、火花や電気光を使用する現場では、防炎加工された作業服を着用することが必要です。また、帯電防止機能付き作業着も静電気火災などの予防のために使用されます。
3.帯電防止
静電気の発生で引火や、システムに影響が起こりえる職場では、安全上の理由で静電気に強い作業着が求められることがあります。特定の職場では着用が義務付けられていることもあります。日本産業規格「JIS」によって標準化されたJIST8118という、「静電気帯電防止作業服」の規格があります。
4.防汚加工
防汚加工とは、汗、油、泥、皮脂、化粧品など様々な汚れをつきにくく、また、落ちやすくした加工です。フッ素樹脂コーティング、ポリマー樹脂加工、ソイルリリース加工などがあります。清掃業で特に重宝されます。
5.ファン付き
ファン付き作業着とは、服に取り付けた小型ファンで服の中に外気を取り込み、汗の気化熱で身体を冷やす仕組みを備えた作業着です。真夏や暑さの厳しい現場などの暑さ対策に着用され、その中でも上記のような撥水・防水・防炎などの機能を付加した様々な種類があります。
作業着のその他情報
様々な業界・作業において使用されることから、多様な種類があります。形状の種類は主に下記の通りです。
形状
- つなぎ
- ジャケット
- シャツ
- ワークパンツ
つなぎタイプは、上下がつながっていることから、ほこりや汚れの侵入を最も防ぐことができます。ベルトが不要となり、安全性もより高いです。一方、ジャケットタイプは着脱が容易で、脱ぎ着が多い現場などに適しています。