クローラーローダー

クローラー式ローダーとは

クローラー式ローダー (英:crawler type loader) とは、クローラーで走行し、車体前部のバケットにより土砂や骨材などの積み込みと運搬を行う建機です。

クローラー式ローダーは、コンパクトトラックローダーやクローラー式トラクタショベルとも呼ばれます。クローラー式ローダーの特徴は、接地圧が低く軟弱地や不整地での作業が可能なこと、その場旋回など小回りができること、豊富なアタッチメントがあることなどです。狭い場所での作業に適しています。

雪の多い地域では、アタッチメントを変えて、除雪作業などに活用できます。

クローラー式ローダーの使用用途

クローラー式ローダーは、小型のブルドーザーと言われ、小回りの良さで土砂などの積み込みや運搬など広範囲の作業に使われます。

具体的には、建築工事、土木工事、造園工事などの作業現場で、土砂や骨材の積み込みや短距離の運搬用途です。とくに、狭い場所や不整地、ぬかるみなどで威力を発揮します。

クローラー式ローダーは、接地面積が広く、他の機械では作業ができない地面の状態でも移動が可能で、作業を進めることができます。汎用性が高いので、整地、掘削、積み込み、運搬、除雪、清掃などを1台の機械で行うことが可能です。

アーム先端のバケット部と交換できるアタッチメントの種類が多いので、農業、林業、畜産、園芸、除雪、清掃など様々な作業に使用が可能です。脱着も容易です。不整地での整地・掘削などに使われ、埋め立て地や製鉄所での作業にも対応できます。

クローラー式ローダーの原理

1. ローダー部

クローラー式ローダーの前部にアームとバケットが装着されています。アームは油圧により上下が可能です。バケットに土砂などをすくい上げ、アームを上げて移動して車両などに積み込みます。バケットは油圧で傾斜角の調整ができます。

積込み方式の分類は、フロントエンド式、サイドダンプ式、バックホー式の3種類があります。また、アームを頭上を通して回転させ、車体の後部まで土砂などを移動させることもできます。

2. クローラー部

クローラーは、金属またはゴムで出来た履帯であり、接地面積が広いので、軟弱地、ぬかるみ、不整地あるいは急斜面などでも走行が可能です。また、スキッドステア方式と言って、両側のクローラーの回転差で進行方向が変えられ、旋回ができます。ほぼ全長分の幅で旋回する「その場旋回」が可能です。操縦はハンドルではなく、2本のレバーで回転を制御する方式です。

クローラー式ローダーのその他情報

1. ゴムクローラーの分類

建設機械用ゴムクローラー
建設機械は、アスファルトやコンクリート、芝地などで使用する場合、路面の保護が必要です。ゴムクローラーは、鉄クローラーに比べ路面のダメッジが少ない特徴があります。また、作業者や周囲への騒音・振動を少なくするメリットもあります。

農業機械用ゴムクローラー
農業機械用のゴムクローラーは、特に接地面積を大きくして、湿田に対応した推進力や排土性能を持たせています。クローラーのラグパターンは多くの種類があり、接地面の凹凸が適したものに設定されています。

運搬・作業機用ゴムクローラー
運搬機用のゴムクローラーは、ぬかるみや凸凹の場所で、路面状況に左右されない安定した走行が出来るように選定されます。また、作業機には、草刈りや高所での作業などに適したゴムクローラーが使われます。

除雪機用ゴムクローラー
除雪機用ゴムクローラーは、高機能で高い耐久性が必要です。低温・氷雪環境で早朝・夜間の作業が多い使い方です。周囲の環境に配慮して低騒音が要求され、氷雪の下の石や突起物による損傷に耐えるゴムクローラーが選定されます。

2. クローラー式ローダーの騒音・振動

低騒音・低振動の建設機械について、国土交通省が基準値を設けており、型式申請して表示ができます。

低騒音型建設機械
建設省告示第1536号で、機種はトラクタショベルの名称になっており、機関の出力ごとに音響出力の基準値が規定されています。

超低騒音型建設機械
低騒音型建設機械より6dB低い基準値が決められており、型式申請により表示が可能です。