リーマー

リーマーとは

リーマー

リーマーとは、穴加工において仕上げに使う工具です。

穴加工では、最初にドリルなどの切削工具で目的の穴よりも小さい径の下穴を加工します。この下穴にリーマーを使って、設計書などにある穴のサイズや表面の精度に仕上げます。

リーマーは穴加工に使う工具ですが、リーマーだけで穴をあけることはできません。あくまでも、ドリルであけた下穴の仕上げをするための工具です。

リーマーの使用用途

リーマーは高い加工精度が求められる穴加工の製造現場で、広く用いられています。ここでの加工精度とは、穴の直径、真円度や円筒度、穴の加工面の表面粗さなどのことです。具体的には、機械部品の摺動部、金型のガイドピン位置決めピンが挿入される穴などの加工が挙げられます。

このような高い加工精度の穴が必要になる製造部品には、自動車や航空機の部品、金型、電子部品やノズルなどがあります。

リーマーの原理

リーマーは、円筒形や円錐形の軸の外周に、一般に6枚から8枚の切削刃がついた形状をしています。この外周にある刃を機械か手動によって回転させ、下穴の側面を削ることによって穴のサイズや表面を整えます。

ドリルは先端に切削刃があり、ドリルを回転させながら加工面に押し付けることによって、穴開けが可能です。リーマーの切削刃は、先端ではなく、円筒の側面だけにあります。

リーマーが下穴から加工する削りしろは、直径50mm程度の穴でも、直径で0.5mm以下と非常にわずかな量です。仕上げる穴径や材質によって、適切な削りしろになるように、適切な直径の下穴をあける必要があります。

リーマーの種類

リーマーには目的や使い方によって、いつか種類があります。代表的な種類は以下の通りです。

1. ハンドリーマー

ハンドリーマーは、ボール盤などの動力機械ではなく、手作業によって穴を仕上げるために使われるリーマーです。シャンク部と呼ばれる、工具をつかむ部分がストレートで先端は四角形になっています。この四角形の部分をハンドルがついた工具でつかみ、ハンドリーマーを手で回転させます。

2. チャッキングリーマー

チャッキングリーマーは、旋盤、ボール盤、ねじ盤などに取り付けて使うリーマーです。チャッキングリーマーにもシャンク部の形状によって、ストレートシャンクチャッキングリーマーとテーパシャンクチャッキングリーマーがあります。

また、リーマーには先端部分に、加工を始める際のガイドとなる面取りのような形状があります。この部分を食付き部といい、傾斜角度を食付き角と言います。ハンドリーマーの食付き角が約1°と非常に小さいのに対して、チャッキングリーマーの食付き角は約45°程度あります。

3. マシンリーマ

マシンリーマもチャッキングリーマーと同じように、機械に取り付けて使います。シャンク部の形状がストレートとテーパー付きのものがあるのも同じです。チャッキングリーマーとの違いは、刃の長さが長くなっている点です。

4. テーパーリーマー

テーパーリーマは、テーパ穴を仕上げるために使うリーマーです。テーパー穴には2つ以上の部品の結合に使われるテーパーピン用の穴や、ドリルやフライス盤などの加工機械の回転軸に、切削工具などを取り付けるためのテーパー穴などがあります。

5. スパイラルリーマ

スパイラルリーマは、加工によって生じる切り粉の排出をしやすくしたリーマーです。具体的には刃が真っ直ぐではなく、螺旋状にねじれた形状になっています。

また、スパイラルリーマーでは、穴側面の面粗さを低く仕上げることが可能です。自動車部品や航空機部品などで、特に穴の位置精度が重要になる部位で使われます。

参考文献
http://www.fptools.com/reamer.html
https://toolnavi.jp/convenient/knowledge/page2
https://www.monotaro.com/s/c-69550/

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