空調制御

空調制御とは

空調制御とは、オフィスビル・商業ビル・マンション店舗などの空調設備を制御・管理するシステム及びサービスです。

空調は建物における電気使用量の半分前後を占めていると言われています。空調制御は、空調設備の制御をシステム化して効率的に行うことで、省エネルギー・コスト削減につながるシステムです。また、効率的に空調を制御することで、建物内における快適性の向上も可能です。労働環境の改善・生産性向上、顧客満足度のアップなどにも貢献します。

空調制御の使用用途

空調制御は、基本的にあらゆる建物に適用することが可能です。大型の建物で使用されていることが多く、主なものには

  • オフィスビル
  • マンション
  • 小売店舗、商業施設
  • ホテル・旅館
  • 医療機関・福祉施設
  • 学校・教育施設
  • 工場
  • 物流センター
  • データセンター

などがあります。空調制御を行うことにより、空調施設の省エネルギー・コスト削減を行うことが可能です。また、建物内における快適性を向上させることもできるため、労働従事者及び顧客にとって快適な環境を作り出すことも可能です。生産性向上や顧客満足度の向上などを見込むことができます。

特筆すべきケースとしては、例えば、食品製造工場においては、食品の品質を保つ目的で空調制御による温度・湿度管理が行われます。医療施設では患者の快適性を向上させる目的で温度設定が行われる他、院内感染対策のために循環機構・フィルターなどがカスタマイズされる場合もあります。

空調制御の原理

1. 概要

空調制御の基本構成は、温度・湿度などの環境パラメーターを計測するセンサーと、空調を制御する制御装置です。例えば、室内にワイヤレス温度センサモジュールを設置し、制御用コンピュータで空調室外機を制御する仕組みなどがあります。システムによっては、既存の設備に温度センサーや制御装置を後付けすることが可能です。

センサーから取得したデータを元に、制御装置が空調をコントロールします。温度センサーから定期的にデータを制御装置へ送信することで、快適な温度・湿度を安定的に維持することが可能です。また、クラウドを経由することにより、AIを活用した制御を行うサービスもあります。人流データを加味して制御を行う場合に監視カメラがシステムに組み込まれたり、天気情報サービスなどの情報がビル外のデータとして取り込まれる場合もあります。

2. 機能

空調制御システムの主な機能は下記の通りです。

  • 温度・湿度の制御
  • 風量・風向の制御
  • ネットワークを利用した遠隔制御
  • 室内の監視・モニタリング
  • 温度分布図や電力消費量などのデータ可視化
  • エネルギー効率化、コスト削減

空調制御システムは単に温度管理を行うだけではなく、効率化・可視化・リモート制御などを行う効果もあります。モニタリングでは、「温度分布表示」によって室内で寒くなっている場所、暑くなっている場所、の位置と範囲が可視化されます。また、各空調機の冷却影響範囲を分析して表示することなども可能です。

空調制御の種類

空調制御は、空調設備を制御・管理することで省エネルギー化・コスト削減を図るという基本機能は共通するものの、様々な種類があります。様々な建物・業種に広く対応しているものの他に、オフィスビルに特化したサービスや、多数のサーバーを収容するデータセンターに特化したサービスなどがあります。

また、サービスによって、付帯機能などはバリエーションが様々です。例えば、空調制御と共に照明制御も行うシステムや、部屋の中で局所的な好みの環境を学習して、それぞれの人に合った空調制御を実現するサービスなどがあります。クラウドを経由するシステムではAI制御・深層強化学習が特に盛んに取り入れられ、スマートフォンやタブレットによる遠隔制御もスムーズです。料金については、月額制や買い切りなど、サービスによって異なります。用途に合わせて適切なものを選定することが必要です。