バフ研磨機

バフ研磨機とは

バフ研磨機

バフ研磨機とは、研磨機の1種で、主にステンレスの表面仕上げなどに使用される機械のことです。

表面を綺麗に仕上げたり、バリや切粉などの不純物を除去したりすることが可能です。バフ研磨機の活用は、製品の品質向上や美観を向上させるために非常に重要な役割を果たします。

バフ研磨にはいくつかの目的がありますが、主な目的は「表面を綺麗にすること」と「バリや切粉などを除去すること」の2つです。目的に応じて、研磨の粗さを選ぶことが重要です。研磨の粗さが適切でない場合、作業効率が低下したり、製品の品質に悪影響を与えたりする可能性があります。

作業の際には、最適な研磨の粗さを選択し、適切な圧力と速度でバフ研磨機を使用することが重要です。また、研磨機のメンテナンスも大切な要素の1つであり、定期的に機械のチェックとメンテナンスを行うことで、長期的な性能を維持できます。

バフ研磨機の使用用途

バフ研磨機の使用用途は多岐にわたり、主にステンレスに対して使われます。ただし、アルミやチタンなどのステンレス以外の金属、アクリルやABS樹脂などにも使用可能です。

金属加工品は、加工時に発生するバリや切粉、油や汚れなどの付着が存在するため、製品として出荷する前にこれらを除去しなければなりません。バフ研磨機を使って表面処理を行うことで、これらの問題を解決し、美しい仕上がりの製品を作ることが可能です。

バフ研磨は、粗削りや中間仕上げなどの前工程で研磨しきれなかった表面の凹凸を滑らかにし、汚れを落とせます。そのため、表面処理の中でも最終工程に適していると言えます。バフ研磨機を使って行われる鏡面仕上げは、製品の美観だけでなく、機能性や耐久性にも寄与するため、多くの業界で重要視されています。

自動車や建築材料、家電製品など幅広い分野で使用されており、その用途は日々広がっています。最適な研磨方法やメンテナンスを実施することで、高品質な仕上がりが得られ、製品の価値を向上させることが可能です。

バフ研磨機の原理

バフ研磨は、綿やフェルト、ウール、スポンジなどで作られた「バフ」を回転させ対象物に当てることで表面を削り、表面処理を行います。研磨時の少しの力加減や研磨位置のブレなどで仕上がりが変わってしまうため、非常に繊細な作業が必要です。

研磨の粗さは番手と呼ばれる数字で区別されていて、一般的にこの数字が大きくなるほど細かい研磨です。通常、研磨は粗い番手から細かい番手という流れで複数回に分けて行われます。

バフ研磨の種類

バフ研磨では目的とする表面の仕上がりに合わせて、バフ研磨の種類、またバフと研磨剤を適切に選択する必要があります。バフ研磨の種類は目標とする表面粗さによって大きく4つに分けられます。

1. 粗研磨

凹凸や傷の多い金属表面に適した方法で、エメリーバフのような細粒度のバフを使用し、目標表面粗さ2μmRzとある程度の綺麗さに仕上げます。比較的きめの粗い麻バフの使用が適しています。

2. 中研磨

粗研磨後の金属表面を、目標表面粗さ0.3~0.6μmRzに仕上げる研磨です。材質によって適切にバフを使い分ける必要があり、ステンレスのような硬質なものであればサイザルバフ、黄銅アルミニウムのような比較的軟質なものには綿バフを使用するのが適しています。

やや光沢のある仕上げ面となるため、ステンレスや後工程でメッキ処理するものはここで最終仕上げとする場合もあります。

3. 仕上げ研磨

目標表面粗さ0.2μmRz以上に仕上げる研磨で、準鏡面仕上げと呼ばれます。番手の高い#600~#800程度のバフを使用し、酸化クロム系やアルミナ系などの研磨剤が適しています。

光沢の質やバフ傷の状態評価が非常にシビアなので、バフ材質や研磨剤の選択には注意が必要です。タオルや不識布などの柔らかい素材で作られた布バフやウールバフの使用が適しています。また自動車のワックス掛けなどであれば、表面が柔らかいスポンジバフの使用が適しています。

4. 鏡面仕上げ

仕上げ研磨後に目標表面粗さ0.1μmRz以上に仕上げるバフ研磨です。#800のバフで金属表面を綺麗な鏡面に仕上げる研磨方法です。

バフ傷もなく景観がしっかり写りこむほど丹念に研磨し、さらに除菌性や洗浄性に優れることも特徴です。柔らかい布バフやウールバフが適しています。 

バフ研磨機のその他情報

1. バフ研磨機のメリット

乱反射が抑えられる
表面を十分に滑らかに仕上げることができない表面処理方法では、乱反射が発生してしまいます。しかし、バフ研磨だと表面が鏡面のように仕上がるため、乱反射を抑えることもできます。

製品精度が向上する
バフ研磨により表面の凹凸を減らせるため、製品精度の向上が期待できます。

2. 自動バフ研磨機

バフ研磨は小さなものや複雑な形状の場合は、研磨対象物もしくはバフ研磨機を操作することで必要な面を作業員が手作業で綺麗に仕上げていきます。この方法では、一品一品丁寧に研磨できるメリットはありますが、大量生産品などの場合は生産性が悪くなるのがデメリットです。

単純形状で比較的平面が多い大量生産品では、研磨対象物もしくはバフ研磨機を自動で操作し仕上げる自動バフ機が広く利用されています。例えば、ステンレスシートなどの平面材やステンレスポールなどの円筒物、またギターなどの平面が多く比較的単純な形状なものにも自動研磨機が使用されています。

参考文献
https://www.chuo-buff.com/qa.html
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/buff/
https://www.polishing-qcd.net/polish_youshiki/buff.html
https://04510.jp/times/articles/-/17843?page=1
https://www.shiken.co.jp/machine/special.html

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