異音検知AI

監修:株式会社エーアイ

異音検知AIとは

異音検知AIとは、機械・装置等の稼働音や振動データを採取して分析した上で、異常につながる音を検出した際に知らせるAIシステムのことです。

機械・装置の稼働中には常に何らかの作動音が発生しています。そして、何らかの異常が発生した際に、それが音となって現れる場合があります。異常検知AIは正常な稼働時の音をあらかじめ記録・学習しており、それに基づいて客観的に異常音の発生を検知します。

外観ではわからない機械・装置の異常の検出が可能になり、周囲の騒音に紛れ込んで人の耳では聞き取れない異常音、熟練した技術者しか気が付かない異常音、人の聞き取れない周波数の異常音なども検出可能です。

異音検知AIの使用用途

異音検知AIは熟練者に頼らず安定した精度で異常音を検出したい現場、24時間モニタリングが必要な現場、過酷な環境下において人手に依らず異常を検知したい現場などで使用されています。

製造現場では、異音検知AIを使って、異常発生時に早い段階で検知することで稼働停止時間を短くすることに役立てられています。機械は故障して停止に至るまでに、何らかの異音を発生することが多くありますが、正常稼働時の音と異常発生時の音を区別することで異常を検知できるようになります。

遠隔地や僻地にある風力発電所からの音をネットワークを介して、異音検知AIでモニタリングしておくことで、風車に何らかの不具合が発生していることを早期に知ることができます。これにより、故障による停止のリスクを低減できます。

異音検知AIの原理

異音検知AIでは、観察対象の機械・装置等が正常に動作しているときの音を入力し、機械学習の一種であるディープラーニングによって正常音モデルを学習します。

正常音モデルを学習した異音検知AIは、学習に用いた正常音と比較して入力音がどの程度類似しているか否かを判定します。これによって観察対象の動作音が正常稼働時の音か、異常発生時の音かを判断できるようになります。

AIによる判定は、サンプリングした音の定量的かつ客観的な分析に基づいているため、人による勘と経験と感覚に頼った判断よりもブレが無く安定して判断でき、熟練工の数が減少傾向にある現場において役に立ちます。

システムを構築する際は、最小の場合、PC、マイク、専用のソフトウェアがあれば構築可能です。

大まかな手順としては、マイクを使用して、機械・装置の実環境における正常時の稼働音を採取します。次に、収集した音データをPC上で処理します。この処理では、AI技術が用いられ、正常稼働時の検査音の特徴量を抽出し正常モデルを学習します。正常・異常を判定する際には、学習した正常モデルに基づいてソフトウェアが音の異常度を算出し、可視化します。

異音検知AIの選び方

異音検知AIの選択の際には、パッケージ製品を購入するか、システムが実稼働をするに至るまでのサポートを含めたシステムインテグレーターを選択することになります。

システムの構成は比較的簡単ですが、仕組みとして実稼働に至るまでには、実環境に合わせた音のモニタリングやAIモデルの学習、出力データの活用等を考慮していく必要があります。

自力での異音検知AIの仕組み構築が難しい場合や、コンサルティングを含めたサービスとして提供される異音検知AIが良いと思われる場合には、異音検知AIを取り扱うシステムインテグレータを選定するようにすると良いでしょう。

本記事は異音検知AIを製造・販売する株式会社エーアイ様に監修を頂きました。

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