追加工

追加工とは

追加工とは、既存の部品に新たな加工を施すことと、そのサービスのことです。

装置の開発段階や試作段階では既存の部品に新たな加工を加えて、より使いやすく精度の高い部品に仕上げることが行われています。特に金属部品やセラミック部品、樹脂製部品などでは頻繁に行われていて、日本のものづくりの一端を支えています。

追加工の使用用途

追加工は、試作段階の装置や機械、単品や少数製造の機械、研究・開発用の機械などの製造や、既存の機械の改造などの際に多く発生します。対象となる部品の材質は、各種金属部品を筆頭に、セラミック部品や、樹脂製部品など様々です。

二次加工とも呼ばれ、必要となる理由は部品の精度を上げたい、端部の仕上がりをより良くしたい、新たな加工を加えて部品の使い勝手を上げたいなどが主な理由となります。他にはコスト削減のために、一から設計して部品を作るよりも既存の部品を調達して、それに追加工を施して目的の部品を作ることがあります。

追加工が必要となる代表的な部品は、シャフト、プーリー、歯車、スプロケットなど回転軸に装着する部品です。これらの部品では、良品の部品であっても嵌合をよりよくしてスムースな動作を得るために行うことがあります。

また、最初から部品メーカーが製造した部品に、さらに微細な加工を加えるために予め追加工が計画されている場合もあります。例えば、先端の成型方法として金属3Dプリンターで部品や製品を作ることがあります。その部品に対して、追加工で金属3Dプリンターが作れる限界よりも小さな穴を開けるなどの例があります。

追加工の原理

追加工は高い工作技術を要求されると同時に、一品や少数の加工が多いため、高い加工技術と柔軟な対応力が要求されます。

一般的に、電気製品や自動車などが大量生産される時点では、使用される部品は完成状態で安定した品質を保っています。これに対して、試作段階の製品や部品、または一点限りや少数の製品や部品を製造する際には、コストや時間の面から作りこみを行う余裕がなく、一旦出来上がった部品に追加工をしてさらに完成度を高める方が合理的です。追加工を請け負う工場では、加工内容に合う工作機械があり、技術を持った職人がいることが多いです。

現在の工作機械はNC (英: Numerical Control) 制御の工作機械が多く使われています。NC制御の工作機械はプログラムと設定パラメータに従って動きますが、機械や刃物の選択、プログラムやパラメータの設定などは、その工作機械を扱う各企業の持つノウハウに依存しています。

追加工に用いられる装置は、NC制御と手動制御の両方の機械で、材料を回転させて切削工具で削る旋盤や、切削工具を回転させて材料を削るフライス盤、切削工具を変えたり材料の向きを変えながら高度な加工を行うマシニングセンターなどがあります。

また、切削工具以外には放電加工を用いて硬い金属をさらに高精度に加工したり、レーザー光を用いてセラミックに穴を開けるなどの加工が行われています。

追加工の種類

追加工の代表的な例としては、部品の面取り仕上げ、タップ加工、軸穴加工、キー溝加工、テーパー加工などがあります。

部品の面取り仕上げでは、粗削りの面取りで納品された硬い金属部品等を、追加工によってさらにきれいに面取りします。タップ加工では部品にネジを挿入するためのネジ穴を開けます。

軸穴加工ではプーリーやスプロケットなどの回転軸となる穴を開けたり、予め小さめに開けられた穴を最適サイズになるまで高精度に削ります。キー溝加工は回転軸が空回りしないように軸穴に溝を設ける加工です。テーパー加工では、細い金属の先を任意の角度を持った円錐状に成形します。

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