シクロプロペン

シクロプロペンとは

シクロプロペンは、化学式C3H4であらわされる、もっとも単純なシクロアルケンです。三角形構造を持つため歪みが大きく、反応性が高いため、単体のシクロプロペンでの利用は限定的です。シクロプロペンの製造方法は、塩化アリルをナトリウムアミドと反応させて得る方法が知られています。

市販されているシクロプロペン誘導体として、ケトン基およびフェニル基を導入したジフェニルシクロプロぺノンがあります。この化合物の法規制については、労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法において、いずれも非該当となっています。

シクロプロペンの使用用途

シクロプロペンは、その歪の大きな三角形構造から反応性が高く、通常は、進行困難な炭素-炭素結合の開裂を伴って反応が進みます。さらにシクロプロペンは、分子内の二重結合が三重結合性を帯びており、アルキンと似た反応性を有しています。このような優れた反応性からシクロプロペン誘導体は、医薬品をはじめとした生物活性化合物の合成に頻繁に用いられています。

また、シクロプロペン誘導体そのものが製品として利用される例として、1-メチルシクロプロパンの観賞用植物や果実・野菜類の鮮度保持剤としての利用が挙げられます。これは1-メチルシクロプロペンが、植物の生理的反応に関連するエチレン受容体タンパクに結合することで、活性が維持されるためです。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0104-2674JGHEJP.pdf

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