ブラスト装置

ブラスト装置とは

ブラスト装置とは、製品や素材にブラスト処理と呼ばれる表面処理を行う装置です。

ブラスト処理は、金属などの製品や素材に、鉄や砂などの固く細かな粒子状の研磨材を高速で投射し、被加工物の表面に打ち付けることによって、削ったり細かな凹凸を付ける処理を行ったりする加工を指します。

ブラスト処理にはいつかの種類があり、これに伴いブラスト装置も複数種類存在します。代表的なブラスト処理は、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラストなどです。

ブラスト装置の使用用途

ブラスト装置は、表面の仕上げ加工を行う際に使用されます。具体的な使用用途として、以下が挙げられます。

1. 研磨

被加工物を研磨し、表面仕上げやバリ取りを行います。投射させる研磨材を変えることで、鏡面にしたり梨地加工を施したりできます。

2. サビ取り

金属の表面に発生するサビを瞬時に除去することができます。ブラスト処理は物理加工のため、鉄に限らずアルミや銅のサビ取りも可能です。

3. ショットピーニング

研磨材を被加工金属の表面に衝突させることで、圧縮残留応力が作用し、金属の表面をより硬化させることができます。耐摩耗性や疲労強度が向上に繋がります。

4. 塗装の剥離

研磨材を投射し、被加工物の表面を研磨することで塗装を剥離できます。ブラスト処理は手作業でも行えますが、量が多かったり、大型だったりする場合は、ブラスト装置によってブラスト処理を行うのが一般的です。

 

ブラスト処理の方法以外にも、ブラスト処理する対象や処理数により、ブラスト装置にはテーブル式、ハンガー式、ドラム式、レール式など多くの種類があります。そのため、対象により最適なブラスト装置を選択することが大切です。

ブラスト装置の原理

1.サンドブラスト(エアーブラスト)装置

サンドブラスト装置は、高圧の圧縮エアーを使用して研掃材 (珪砂やガラス粒など) を投射して、サンドブラスト処理を行います。通常、投射した研掃材はブラスト処理する対象に衝突した後、集塵機によって回収され再び研掃材として使用されます。

回収される途中で、ブラスト処理する対象から削られたゴミなどの粉末と分離されるのが一般的です。

2. ショットブラスト装置

ショットブラスト装置は、羽根車を持った投射機を高速で回転させることにより発生する遠心力で、研掃材を投射せさます。ショットブラスト装置で使用する研掃材は、鉄やステンレス、亜鉛など固く比重が大きいものを高速で投射する必要があります。

そのため、ショットブラスト装置はこの様な機構が必要です。また、投射される研掃材は固く重いものであることから、処理対象も鉄などの金属が多くなっています。

ブラスト装置の特徴

粒子状の研磨材を投射し、直接被加工物の表面を加工するブラスト処理には下記の特徴があります。

1. 化学成分などを使わない物理的な加工

ブラスト処理はどの方法も研磨材を投射し、物理的に被加工物の表面を研磨するため、薬品類を使用しません。

2. 均一な加工が可能

ブラスト処理は、研磨材が投射された時点でほかの外部的な力が加わることがありません。そのため、投射時の研磨材の質量や形状、速度を調整することで、被加工物の表面の仕上がりは均一になります。

また、大量の研磨材が被加工物の表面全体を研磨するので、ほかの研磨と比べ方向性のない表面に仕上げることができます。

3. 対象物の材質を選ばない

ブラスト処理はいずれの方法でも、物理加工のため材質を選ばない加工が可能です。金属を始め、ガラスや石、プラスチックや木材などさまざまな材質のものを加工できます。

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