wifiアンテナとは
wifiアンテナは、無線通信により電波の送受信を行う空中線のことを指します。空中線とは、アンテナの別称で無線通信分野における総称として呼ばれています。空中線の分類には、大別して「指向性アンテナ」と「無指向性アンテナ」の2種類があります。
指向性アンテナ
指向性アンテナは、特定の方向から届く電波の送受信を行う空中線です。
無指向性アンテナ
一方で無指向性アンテナは、電波の方向が定まっておらず、あらゆる方向の電波を送受信する空中線です。
また、wifiアンテナは、屋内用と屋外用の製品が販売されており、wifiアンテナを利用するまでの構成方法が異なります。一般的に屋内用のwifiアンテナは、アクセスポイントから変換ケーブルを通してアンテナに接続するか、もしくはアンテナに直結して使用します。しかし、屋外用のwifiアンテナは、まず、アクセスポイントから変換ケーブルに接続します。そして、変換ケーブルを同軸ケーブルにつなげることで、アンテナに接続します。同軸ケーブルを接続する理由は、高周波伝送における損失を防ぐだけではなく、施工性や中継の手軽さ、直流電流を重畳できるといった利点があるからです。
wifiアンテナの使用用途
近年、wifiアンテナは、新しい通信規格の普及も相まって需要が増加しており、さまざまな業界があらゆる用途での利用を検討しています。
Wi-Fiは、電波を飛ばすことで無線による通信を可能としますが、水や金属などに吸収される特性があるため、使用環境によっては通信が安定しないなどの問題が生じます。
例えばこの問題が顕著に現れるWi-Fiの使用環境には、船舶が挙げられます。船舶では、甲板や船橋においてWi-Fiを利用できます。しかし、船内は、金属であるため、電波が届きません。また、無線や有線でのLAN環境を構築するためには、配線を通す穴あけ工事が必要となり、配線も長距離で行わなければならず、高額な費用が発生します。さらに、船舶は、気軽に穴あけ工事を行うことができません。
そのため、船舶では、新たな動向として「電力線データ搬送:Power Line Communication(PLC)」の導入が進んでいます。
*PLC (Power Line Communication)は、既存の電力線を活用して電力とともにデータ通信を行う仕組みです。メインルーム内のアクセスポイントとルーターをPLC機器に接続し、PLC機器をコンセントにつなげることで、ネットワーク環境が構築できます。別室では、PLC機器をwifiアンテナ、もしくは無線機器に接続することにより電波が阻害されることなくWi-Fiを利用できます。
wifiアンテナの原理
アンテナは、別名で放射器とも呼ばれており、さまざまな形状があります。アンテナの種類には、セクタアンテナや平面アンテナ、八木アンテナ、無指向性アンテナなどがあります。例えばセクタアンテナは、多様な電波を送受信するために移相器を有し、MHzやGHz帯域用の水平素子や反射板が組み込まれています。また、アンテナは、外界(雨風など)からの影響を防ぐためにレドームと呼ばれるカバーにより内部機構を保護しています。
wifiアンテナは、主に無線LANで使用される2.4GHzと5GHzの帯域を扱っています。Wi-Fiの通信規格には「IEEE:米国電気電子学会」が定めた規格と「Wi-Fi Alliance」が定めたWi-Fiの新名称があります。新名称は、2009年の第4世代(新名称:Wi-Fi 4)から使用されています。また、ユーザーが識別しやすいように名称が簡略化されています。
この通信規格によって通信速度や特性が異なり、2.4GHz帯では、第2世代の「IEEE 802.11b」と第3世代の「IEEE 802.11g」が使用されています。5GHz帯では、第2世代の「IEEE 802.11a」と第5世代の「IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)」が使われています。また、2.4GHz帯と5GHz帯の両方で使える第4世代の「IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)」と第6世代の「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」があります。
wifiアンテナは、こうした通信を安定して行うための装置です。