硫酸水素イオンとは
硫酸水素イオンとは、化学式HSO4-で表される、一価の陰イオンです。
別称としては、硫酸水素アニオン、水素スルファート(水素サルフェート)があります。
硫酸水素イオンの塩は、一般にM(I)HSO4で表され、硫酸塩を硫酸に溶かすことで得られます。硫酸水素塩は水に溶けやすく、水溶液は酸性を示すものが多いです。
硫酸水素塩を熱すると、まず脱水して二硫酸塩を生じ、さらに熱するとSO3を放ち硫酸塩を生じます。これを利用し、塩基性金属元素のリン酸塩や酸化物、スラッグなどの試料に硫酸水素カリウムを加えて400℃で融解することで、水溶性の硫酸塩を得ることができます。これを硫酸水素塩融解といい、硫酸水素カリウムはこの分析用融剤として用いられます。
硫酸水素イオンの使用用途
硫酸水素イオンは各種陽イオンと反応し塩を生じます。
この硫酸水素塩は主に、先述の難溶性塩の硫酸水素塩融解、白金坩堝の洗浄に用いられます。
そのほか、代表的な硫酸水素塩である硫酸水素カリウムKHSO4は、肥料、ブドウ酒製造、食品保存剤にも用いられています。
また、硫酸水素ナトリウムNaHSO4は、飲料水の消毒、セメント、香料、れんが、にかわの製造、金属の表面処理剤、pH調整剤、せっけん、製紙業の分野にも使用されています。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/7646-93-7.html