コリンとは
コリン(Choline、化学式:C5H14NO)とは、生体内でアミノ酸のセリンとメチオニンから合成される水溶性のビタミン様物質です。無色でアルカリ性の液体です。
細胞膜の構成物質であるホスファチジルコリン(レシチン)や、神経伝達物質の一種であるアセチルコリンの成分になります。レシチンは血管壁へのコレステロールの沈着や肝臓への脂肪の蓄積を抑え、アセチルコリンは血管を拡張して血圧を下げる作用があります。このことから、コリンには高血圧や動脈硬化、脂肪肝等を予防する働きがあります。
コリンの使用用途
コリンはサプリメントとして使用されています。高血圧や動脈硬化、脂肪肝を予防する働きに加えて、脳機能において重要な働きをしていることから記憶力や集中力の向上などを目的として摂取されます。
コリンは家畜用飼料の添加物として使用されています。家畜の肝臓に脂肪が蓄積すると適切に代謝されず健康を害する恐れがあるため、肝臓に蓄積した中性脂肪の放出のためコリンを添加した飼料を与えています。
コリンは植物の成長促進に効果が認められていることから、コリンを含有した農薬も使用されています。
参考文献
改訂版いちばん詳しくて、分かりやすい!栄養の教科書 中嶋洋子監修 新星出版社