アルミ加工とは
アルミ加工とは、アルミニウム(酸化アルミニウムをボーキサイトから抽出し、電気分解により取り出したもの)を成形加工、溶接加工、切断加工などの機械加工を行い、製品のための素材を加工することです。
ただし、一般的に、アルミは加工が困難な材料といわれています。また、加工が困難な理由も「①溶接加工、②曲げ加工、③切断加工」で異なっており非常に厄介です。簡単に説明しますと、①成形加工(曲げ加工)では、アルミは、延性を有するため曲げ箇所が伸び、強度低下に陥ってしまします。②溶接加工では、アルミは高融点(2000℃)の酸化被膜を生成するため、溶接難になります。③切断加工では、アルミは、高反射性(鉄、ステンレスと比較してレーザー光の反射率が高い)であるため、レーザー加工が困難です。
アルミ加工の使用用途
アルミ加工の使用用途は、衣食住に係るあらゆるアルミ製品へ利用されています。アルミ製品例として、航空機やロケット、自動車、飲料缶、建築物、LNGタンク、スマホやタブレット、食料、医薬品です。アルミの特徴として、以下のようなものがあります。
メリット
- 非常に軽い(軽量化)です。
- 強度が高い(費用対効果あり)です。
- 耐食性あり(表面処理により高耐食になる)があります。
- 加工性に(任意の形状に成形しやすい)富んでいます。
- 通電性、熱伝導性に(銅などの高級材料の代替品となる)富んでいます。
- 再生可能(経済、環境に優しい)です。
デメリット
- 鉄やSUS材(ステンレス)と比較すると強度が低いです。
- 材料が軟らかい(傷、へこみがつきやすい)です。
- 融点が(溶接難であり、要技術力)低いです。
アルミ加工の種類
アルミ加工の原理は、前述の通り、アルミは加工性に富むため、各加工方法によって異なります。ここでは、「成形」「溶接」「切削」「切断」「表面処理」に区別して説明します。
1. 成形加工(圧延加工、曲げ加工など)
圧延加工では、ポンチと金型を使用して、打ち抜きます。 曲げ加工では、いくつかの曲げ方法によって、板、押出材を成形します。鋳造加工ではアルミを溶かして型に流した後に冷やして鋳物にします。プレス機を使用したプレス加工では上下に2枚の刃を用意して切断するせん断加工や容器型に加工する絞り加工があります。またプレス加工でも曲げ型を使用した曲げ加工ができます。
2. 溶接加工
溶接加工では、主にアーク溶接加工を実施します。アーク溶接とは、材料と電極の間にアークを発生させて溶接する方法で、ティグ(TIG)溶接加工とミグ(MIG)溶接加工があります。
3. 切削加工
切削加工では、工具(ドリル、バイト、エンドミルなど)を用いて、工作機械(マシニングセンタ、フライス盤、旋盤など)によって機械加工します。
4. 切断
切断では、専用機械(シャー、丸のこ、帯のこ、ジグソー、NCソーなど)によって加工します。