イオン発生装置とは
イオン発生装置とは、その名の通り、マイナスイオンを生成する装置です。
空気に電気的な力や物理的な力を加える、もしくは放射線により空気中にマイナスイオンを発生させています。
イオン発生装置の使用用途
イオン発生装置は、マイナスイオンを生成する装置であり、マイナスイオンには空気清浄効果や消臭効果などがあるため、家庭から公共施設、病院、工場まで幅広く使用されています。イオン発生装置による具体的な空気清浄方法及び消臭方法は、カビなどの有害な微生物を殺菌する、発生させた静電気によって静電気を帯びている塵を収集するなどの方法です。
さらに、イオン発生装置は、正と負のイオンを静電気が発生している部分に当てて静電気を除去し、静電気による埃の持ち込みなども防止します。選定する際は、イオンの発生量や正と負のイオンの比率や精度、使用する電力、メンテナンス性などを考慮する必要があります。
イオン発生装置の原理
イオン発生装置のイオンを発生させる方法は、大きく「コロナ放電式」「電子放射式」「レナード効果式」「放射性物質利用式」の4つがあります。
1. コロナ放電式イオン発生装置
コロナ放電式イオン発生装置のイオン生成方法は、コロナ放電を利用して空気中の酸素分子や水分子のイオンを生成する仕組みです。具体的には、負の極性をもつ針状の電極と平板間に高電圧をかけます。
すると、電極から平板に向けて電子が放出され、この電子が電極の周りのガス分子と衝突して、コロナ放電が起こります。コロナ放電が起きると、電極と平板間に残存している電子が空気中の酸素分子や水分子と衝突してイオンを生成する仕組みです。
2. 電子放射式イオン発生装置
電子放射式イオン発生装置のイオン生成方法は、空気中に直接電子を放出して空気中の酸素分子や水分子のイオンを生成する仕組みです。具体的には、負の極性を持つ針状の電極に高電圧をパルス状に印加します。
すると、電極から電子が放出され、この電子と空気中の酸素分子や水分子が結合してイオンが生成されます。
3. レナード効果式イオン発生装置
レナード効果式イオン発生装置のイオン生成方法は、大量の水を噴出させて衝突させイオン化させる仕組みです。滝の周りにマイナスイオンができる現象と同様の理論です。水を衝突させるため、水破砕式とも呼ばれています。
4. 放射性物質利用式イオン発生装置
放射性物質利用式イオン発生装置は、放射性物質から放出される放射線のエネルギーにより空気中の酸素分子などをイオン化させる仕組みです。放射性物質としては、セラミックスや天然鉱物が使用されています。
イオン発生装置のその他情報
通常の空気清浄機とイオン発生装置の違い
衛生意識の高まりとともに最近注目されているイオン発生装置は、家庭や事務所、ホテル、公共施設など多くの場所で設置されるようになりました。空気清浄機として使用されるイオン発生装置ですが、通常の空気清浄機とは大きな違いがあります。
通常の空気清浄機は、集じんフィルターや脱臭フィルターを装着し、空気中の汚れを取り込んで空気清浄をしています。これに対し、イオン発生装置は、イオンを放出して、空気の汚れや臭いの元となる空気中に浮遊しているカビ菌やウイルスの作用および増殖を抑えて空気をきれいにする仕組みです。
また、イオン発生機から放出されたイオンは壁や衣服表面などにも到達可能です。このため、壁などに付着したカビ菌やウイルスや、洋服およびソファーなどに付着したタバコ臭物質などにも行き届き、これらの分解および除去ができます。
これに対し、通常の空気清浄機では室内の空気を吸い込んで処理するため、上記のような壁や衣類に付着した物質を取り込むことは困難です。このような利点を持つイオン発生機は、ペットのニオイが気になる家庭や、介護中で衛生面が気になる方などから人気を集めています。その他に、静電気を抑える効果やお肌にツヤを与える効果もあるとされています。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/18/1/18_1_20/_pdf
https://www.inpit.go.jp/blob/katsuyo/pdf/chart/fippan11.pdf
https://jp.sharp/business/pci/