炭酸水

炭酸水とは

炭酸水とは、二酸化炭素 (炭酸ガス) が溶けた水溶液です。

スパークリングウォーターと呼ばれることもあり、天然のものと人工のものがあります。天然の炭酸水は、採水時から炭酸ガスを含んでいる地下水のことで、温泉や湧水の形で発生します。人工の炭酸水は、圧力をかけて水に炭酸ガスを溶かしたものです。天然水に炭酸ガスを添加したものや、純水に炭酸ガスを添加したものなどが市販されています。

炭酸水は清涼感があるため、リフレッシュなどの目的で炭酸水を楽しむ人が増えており市場規模が拡大中です。

炭酸水の使用用途

炭酸水は主に飲料や温浴で使用されます。日本の温泉法では1Lの湯に炭酸ガスが250mg以上溶けているものを炭酸泉と定義しています。その他具体的な使用用途は下記の通りです。

1. 炊飯

炭酸水で米を炊くと、ふっくらした美味しいご飯が出来上がります。米に浸透した炭酸が炊飯時に気泡となることで、米に気泡が入るためです。

2. 煮物調理

炭酸水で煮込むと、柔らかくて味がよく染みた美味しい煮物ができます。炭酸水自体に味がないため素材の味を邪魔することがありません。

3. 拭き掃除

普通に水拭きをするよりも、炭酸水で拭いた方が綺麗になります。炭酸水には、汚れを取り込んで気泡となることで汚れを除去する働きがあるためです。窓ガラスやフローリングなどの軽いベタベタ汚れを取る際に適しているといます。洗剤を含まないため、子供やペットがいる家庭でも安心です。

4. 洗髪

炭酸泉を用いた「炭酸ヘッドスパ」をメニューに取り入れている美容院が増えています。炭酸の気泡が頭皮の汚れをすっきり落とすことで、べたつきやニオイなどの頭皮トラブルが軽減します。また、頭皮の血管が拡張することで血流が良くなる効果もあります。

炭酸水の性質

炭酸水には、下記のような性質があります。

1. 弱酸性

炭酸水は弱酸性 (pH5.5以下) です。二酸化炭素が水に溶解することで炭酸が生じ (1) 、炭酸がさらに解離して水素イオンが生じる (2) ため、酸性側に傾きます。

 (1) CO2 + H2O ⇄ H2CO3
 (2) H2CO3 ⇄ H+ + HCO3

2. 発泡性

炭酸水には気泡が立つ性質があります。ペットボトルの炭酸水を開栓すると発泡する原理は、ペットボトル内の圧力が下がることで二酸化炭素が溶けきれなくなり泡となって出る仕組みです。また、炭酸水の温度を上げることによっても発生します。

3. 酸味

炭酸水は一般に酸味があると言われます。これは口に含んだ際に炭酸が口腔内を刺激し、それによって酸味を感じ取る細胞が活性化するためです。

4. 清涼感

炭酸水を口に含むとピリピリとした刺激 (清涼感) を感じます。炭酸脱水酵素の働きで炭酸から水素イオンと炭酸水素イオンが生じ、これらのイオンが三叉神経を刺激するためです。

5. 血管拡張作用

炭酸水には、血管を広げる作用があります。炭酸水に浸ることで、末梢血管拡張物質のプロスタグランジンE2が体内で多く産生されることが関連していると考えられています。

炭酸水の種類

飲用の炭酸水は、炭酸飲料として市販されています。炭酸飲料の分類は下記の通りです。

1. 天然水をベースとした炭酸水

採水時に炭酸ガスを含んでいる天然の炭酸水や、天然水に炭酸ガスを添加したものがあります。いずれも天然水をベースとしているため、自然由来のミネラル (カルシウムやマグネシウム) を含んでいます。硬水 (ミネラルが多い) や軟水 (ミネラルが少ない) といった水の味わいも楽しめます。

2. 純水をベースとした炭酸水

不純物を除去した高純度の水 (純水) に、炭酸ガスを添加したものです。一般的には、ミネラルを含んでいませんが、あとから添加する場合もあります。

3. 甘味料やフレーバーを添加したもの

炭酸水の原材料として、水と炭酸ガスに加えて甘味料や酸味料、フレーバーなどが使用されることがあります。多彩な味や風味を楽しむことができますが、糖分を多く含むものは飲み過ぎないよう注意が必要です。

4. 強炭酸・微炭酸

炭酸ガスの含有量 (ガス圧) によって、強炭酸 (炭酸ガスが多い) ・微炭酸 (炭酸ガスが少ない) の2種類があります。ガス圧はGV (ガスボリューム) という単位で表されます。1GVは1Lの液体に1Lの炭酸ガスが含まれている状態です。

強炭酸・微炭酸という言葉に明確な定義はありませんが、市販されている強炭酸の商品には5GVのものが多いとされています。刺激的なのどごしを楽しめる強炭酸は人気が高く、多く流通しています。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/brte/21/1/21_38/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/scdh/1/0/1_5/_pdf/-char/ja

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