ケテンとは
ケテンとはCH2CO という化学式で表される有機化合物です。また、水素原子の代わりに別の原子団が結合したものも含めてケテンと呼ぶことがあり、水素原子が結合したものを限定して指す場合にはケテン単量体と呼ぶことがあります。
水素原子のうち一つのみが他の置換基により置換されたものをアルドケテン、水素原子が二つとも置換されたものをケトケテンと呼びます。
ケテンは常温で気体の刺激性のある物質で、アルドケテンは無色、ケトケテンは黄色です。
ケテンの使用用途
ケテン単量体は非常に反応性が高く、水やアルコール、酢酸など様々な物質と反応します。
ケテンから得られる物質で工業的重要性が高いのがデヒドロ酢酸です。デヒドロ酢酸の工業的製法ではケテンの単量体が用いられています。デヒドロ酢酸は細菌やカビ、酵母などをある程度殺すことができるため、化粧品や食料品に油溶性の防腐剤として添加されるほか、白癬症の治療薬にも用いられています。
また、デヒドロ酢酸のナトリウム塩は保存料としても用いられています。