角ノミとは
角ノミは「ホゾ穴」を空ける電動工具です。木材の継ぎ手において、凸形の出っ張りを「ホゾ」といい、「ホゾ」を差し込む穴を「ホゾ穴」といいます。「ホゾ」を作る工程は男木加工とも呼ばれており、ノコギリを使用します。一方、「ホゾ穴」を作る工程は女木加工とも呼ばれ、電動工具が登場するまでは、鑿(のみ)を用いて穴を空けていました。
角ノミは、先端がのみのように鋭利になっている四角い箱ノミの中に、円い形のドリルが収められています。ドリルの方が1〜2mmほど突き出ており、ドリルで円い穴を空けたのちに、外側の四角い箱で四角形に形を整えます。
角ノミの使い方
木材にホゾ穴の切削範囲をマーキングした後、ドリルスタンドに木材を固定し穴あけ加工します。なお加工する木材を強固に固定し、動かないことを確認した後に作業に入ることが重要です。必要により添木や枕木を使用して材料を支えます。
縦長のホゾ穴を作る為に、何回かに分けて穴あけを行う場合は、まず両端部分を穴あけ加工します。片側から順に加工すると、最終段階で角ノミが既に空いている方へ逃げてしまい、垂直に削れなくなる可能性があります。
貫通し穴を作る場合は、一気に貫通させるとバリが出来ることから、表裏両側から穴あけ加工をします。
角ノミの選び方
角ノミは、据え置き型と、電動ドリルを固定して使用するドリルスタンドがあります。据え置き型は非常に高価な電動工具であり、頻繁に使用する木工作業所などで使用します。家庭用あるいは使用頻度が低い場合は、ドリルスタンドに角ノミアダプターを取り付けて使用します。
据え置き型には、ホゾ穴を空ける「角ノミ」のほか、込み栓を打つ穴を空ける「込み栓角ノミ」、通し貫を貫通させる穴を空ける「チェーンのみ」があり、目的の女木加工に合わせて使い分けます。
ドリルスタンドは、製品により「電動ドリルの首径」、「穴あけ能力」、「最大ストローク」に違いがあります。作業に見合う能力を有するモデルを選択します。
「電動ドリルの首径」38mm〜45mmまで幅広く使用できるもスタンドもあれば、例えば43mmだけ使用可能と限定されるものもあります。取り付ける電動ドリルの首径を予め確認しておきましょう。
「穴あけ能力」とは、取り付けられるノミのサイズをいいます。最大角穴12.7mm(1/2インチ)、最小角穴6.4mm(1/4インチ)のように表示されています。
「最大ストローク」は、穴あけ深さと直結しており、加工で必要となる深さ、あるいは加工する木材の厚みを考慮して選択します。