ダイヤモンドコアドリル

ダイヤモンドコアドリルとは

コアビット

図1. コアビットの構造

ダイヤモンドコアドリルとは、先端がダイヤモンド粒子でコーティングされたコアビットを使用し、硬い素材にも穴あけ加工ができる工具です。

通常のドリルと比較して切削力が高く、耐久性にも優れています。コンクリートなどの硬い素材に穴をあける場合、振動や打撃などの強い力が必要になるため、大きな騒音が出ます。

しかし、ダイヤモンドコアドリルは穴をあける際に回転の力しか使わないため、騒音を抑えられるのが特長です。

ダイヤモンドコアドリルの使用用途

ダイヤモンドコアドリルは、建設やリフォーム、インフラ整備、岩盤掘削のほか、石材やガラスなどの加工にも使われます。高い切削力と耐久性をもつため、硬いコンクリートの床や壁に穴をあけて水道管やガス管などの配管を通したり、岩盤を掘削して地質調査をしたりすることが可能です。

石材やガラス、タイル、セラミックなど、硬質でありながら脆い素材にも、ダイヤモンドコアドリルは有用です。適切な速度と圧力で作業をすれば、割れや欠けを防ぎながら穴あけ加工を行えます。

ダイヤモンドコアドリルの原理

ダイヤモンドコアドリルで使用されるコアビットは、極めて高い硬度をもつダイヤモンド粒子を先端にコーティングしています。これにより、コンクリートなどの硬い素材に対しても穴あけ加工が可能です。さらに、ダイヤモンドは耐久性が高いため、長時間の使用や大量の作業でも劣化しにくくなっています。

また、ダイヤモンドコアドリルは、ハンマードリルのような打撃力を使わず、回転の力だけを利用するのが特長です。これにより、振動や騒音を抑えられるほか、石材やガラスなどの脆い素材であっても、破損させることなく穴あけ加工ができます。

ダイヤモンドコアドリルの選び方

ダイヤモンドコアドリルを選ぶ際に気をつけるポイントは、以下の4点です。

1. サイズ

ダイヤモンドコアドリルは、小型のものから大型のものまで、さまざまなサイズの製品があります。あけたい穴の径に応じて、適切なサイズを選ぶことが大切です。

2. ポールベースタイプ / ハンディタイプ

ポールベースタイプとハンディタイプ

図2. ポールベースタイプとハンディタイプ

ダイヤモンドコアドリルには、ポールベースタイプとハンディタイプの2種類があります。ポールベースタイプは、ベースを床や壁にアンカーで固定できるため、大きな穴や深い穴でも安定した穴あけ作業が可能です。

ハンディタイプは、小さな穴や浅い穴を効率的にあけるのに適しています。ポールベースタイプとハンディタイプのどちらにも対応可能なハイブリッドタイプもあります。

3. 湿式タイプ / 乾式タイプ

ダイヤモンドコアドリルには、湿式タイプと乾式タイプの2種類があります。湿式タイプは摩擦熱を低減できるため、コアビットの劣化を抑えます。水を使うため養生や掃除が必要です。

乾式タイプは、水を使わないため通常のドリルと同じ感覚で使えます。しかし、摩擦熱によってコアビットが劣化しやすいほか、粉塵が出るのが難点です。

4. 取り付けネジ規格

ダイヤモンドコアドリルは、コアビットの取り付けがネジ式になっています。AロッドやCロッド、M27など、いくつか規格があるため、ネジ規格が合うようにドリル本体とコアビットを選ぶことが大切です。

異なる規格を使いたい場合は、ネジ規格を変換できるレジューサーがあります。

ダイヤモンドコアドリルのその他情報

ダイヤモンドコアドリルの使い方

ダイヤモンドコアドリルの使い方は、大きく分けて「マーキング」「ドリルの準備」「穴あけ作業」の3ステップに分けられます。

1. マーキング
ガイドリングと芯出しシート

図3. ガイドリングと芯出しシート

正確な作業ができるよう、穴あけ位置にマーキングをつけます。ガイドリングや芯出しシートなどの治具が付属している製品もあります。

2. ドリルの準備
穴あけをする素材の硬さや穴の大きさに応じて、適切なコアビットを選択します。ドリルの回転速度やトルクの設定は、硬い素材であれば低速、高トルクが適切です。

3. 穴あけ作業
まずは治具やセンターピンを利用して、3〜5mmの案内溝を作ります。案内溝ができたら、治具やセンターピンを外して、本格的な穴あけ作業に移ります。

対象を破損させないよう、適切な回転速度と圧力を維持することが肝要です。穴あけ完了間際は、安全のため回転速度と圧力をゆるめます。

コアビットは摩擦熱で熱くなります。そのため、火傷に注意し、作業環境に応じて保護メガネや防塵マスク、耳栓など保護具の着用が必要です。

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