カンナとは
カンナとは、木材の表面に当て、削ることで表面を滑らかにする工具です。
カンナを使用することによって、木材の表面のざらつきや凹凸を平らにしたり、厚みを調整したりします。カンナを上手に使えるようになるまでには、使い方やメンテナンスの点でかなりの経験が必要です。
しかし、中には初心者でも使いやすい替刃式なども出ているので、自分に合ったものを選択することをおすすめします。
カンナの使用用途
カンナは、一般的なDIYから専門的な現場の木工作業に幅広く使用されます。木材の表面を滑らかにするための工具で、材料に合わせてカンナの種類があります。最も一般的なものは、平カンナという表面を削るためのものです。
その他に、角を取るための「面取りカンナ」、溝の形を整える「さくりカンナ」などがあります。表面を滑らかに仕上げるものとして、ヤスリも挙げられます。ヤスリは木の表面を擦って滑らかにしますが、カンナは木の表面を刃で薄く剥ぎ取るようにして仕上げるのが大きな違いです。
木の表面を無垢のままで使用したいときには、木の表面をカンナで仕上げると、無垢の良さが一番感じられる仕上がりになります。
カンナの原理
カンナは木製のカンナ台と刃から成っており、カンナ台にある溝から少しだけ突出した刃で木材の表面を削り取ることで平らにします。刃は一枚刃と二枚刃がありますが、現在は二枚刃が一般的です。
二枚刃のものは木材の逆目の場合でも、刃が材料に食い込んだり、表面が剥がれてしまうことを防いでくれます。カンナでは、この二枚刃をうまく調整することが重要です。
カンナの選び方
カンナは、加工する材料の形に合わせて使用するカンナを選びます。また、自分の経験値に合ったものを選ぶことも、作業効率や仕上がりの向上において非常に重要です。
1. 用途に合わせたカンナを選ぶ
木材の表面を平らにする平カンナ、木材の角を削る面取りカンナ 、溝の形を整える作里 (さくり) カンナなど、用途に合わせたカンナがあります。また、豆カンナという掌に納まるぐらいの小さいものもあります。
2. 刃の交換・調整方法で選ぶ
替刃式
従来のカンナは、刃を砥石を使って研いだり、カンナ台の歪みをカンナで削って調整する必要がありますが、それができるようになるにはかなりの鍛錬が必要です。それに比べ、替刃式は刃を取り替えて使うため、初心者にも使いやすいです。替刃は髭剃りのように、刃が切れにくくなってきたと感じたら交換します。
ねじ式
刃の調整は通常、カンナ刃の頭を叩いて刃を出し、カンナ台の頭を叩いて刃を引っ込めて調整します。ねじ式の場合は、より簡単に刃の調整が可能です。
3. 手動・電動で選ぶ
ドラムについた刃を電動で回転させて木材を削ります。手カンナのような繊細な作業には向いていませんが、パワーがあるので、初心者にも比較的簡単に使用でき、広い面積を仕上げる場合にも効率よくできます。
カンナのその他情報
1. 刃の調節の仕方
カンナを使う際は、刃の調節と木材の向きがポイントです。木材の表面のみを薄く削り取るためにカンナ台からはみ出させる刃の長さを調節する必要があります。
金槌や木槌で、カンナ台と刃を叩いて調整します。カンナ台の台頭を叩くと刃が引っ込み、刃頭を叩くと刃が出ます。刃は水平に出すことが重要で、左右を少しずつ叩きながら調整します。出す刃は髪の毛ぐらいと言われるぐらいわずかなもので、0.1mmから0.2mmぐらいが適当です。
刃の調整ができたら、端材を使って試し削りをして、必要に応じて再調整をします。
2. カンナがけの仕方
カンナがけをする木材に垂直に押し当てます。片方の手でカンナをしっかり握り、もう片方の手で、刃に指をかけます。手の動きだけではなく、身体を使って平行に引きます。カンナがけをする木材を載せる作業台もしっかりとした安定感のあるものであることが大切です。
3. 未使用時の扱い方
作業の途中でカンナを置くときは、刃が作業台に当たらないように、カンナ台を横向きに立てて置きます。刃を傷めないようにするためです。また、使用しない時は刃を完全に引っ込めて置きます。