十字レンチ

十字レンチとは

十字レンチとは、名前の通り十字の形をしたレンチで、それぞれソケットのサイズが違う2本のレンチが十字にクロスするように固定されており、使用時に両手で力を加えることができる工具です。

両手を使って作業ができるため、通常のレンチよりも強い力をかけられます。主に車のタイヤ交換を行う場合に、よく用いられています。

1つの十字レンチの各先端に固定式でサイズの異なるソケットが付いた製品やグリップ部分が回転するようボルト・ナットの取り外し時に早回しが可能になっている製品など、種類はさまざまです。使用するボルト・ナットに対してそれぞれ適合するレンチのソケットサイズが異なるため、目的に応じてサイズを選ぶ必要があります。

十字レンチの使用用途

十字レンチは、レンチを閉めたり緩めたりする際に使用します。使い方は非常にシンプルなもので、まずボルト・ナットに対してサイズの合ったソケットを差し込みます。次に、十字レンチの両端を手で掴み回すことで力を加えて、ボルト・ナットを締めたり緩めたりといった作業を行います。

十字レンチのソケットには標準形状と薄口形状の2種類があり、ボルト・ナット周囲の幅が狭い場合は薄口形状でないと差し込むことができないことに注意する必要です。グリップが回転するようになっている早回しレンチでも、使い方は同じです。

グリップとクロスしているレンチの先端を掴んでグリップを回転させることで、ボルト・ナットを締めたり緩めたりすることができます。作業数が多く時間がかかる場合は、早回しレンチを使うことで、作業の効率化につながります。

十字レンチの特徴

1. 十字レンチソケットの形状

ソケットの形状は、製品によって差し込み部が六角形と十角形のものがあります。六角形の方がボルト・ナットに対する接地面積が増えるため、締める・緩めるの作業時に力を掛けやすくなります。

十二角形は差し込み時にボルト・ナットと嵌合しやすくなるため、作業スペースが限られている場合などに用いると便利です。しかし、差し込みやすい反面ボルト・ナットに対する接地面積が少なくなります。

締める・緩めるの作業においては、六角形に比べてより大きな力が必要であるため、ボルト・ナットをナメないよう注意が必要です。

2. 十字レンチソケットの厚み

ソケットの厚みにも違いがあります。”標準”および”薄口”と呼ばれる2種類が存在しますが、厚みに対する寸法等の明確な数値は特に存在していません。

ホイールによってはデザインや機能性を優先した結果、ボルト・ナット締結部のクリアランスが狭くなり、薄口のソケットでないとレンチを差し込めない場合があります。

標準と薄口の差は、厚みがあることでソケット自体が丈夫になり壊れにくい等の強度面しか無いため、予め薄口のものを用意しておくと汎用性が高く使い勝手が良くなります。

十字レンチの選び方

1. ソケットのサイズ

十字レンチの各先端には、それぞれ異なったサイズのソケットが備わっていることが多くあります。例えば、一般的な日本車のホイールに用いられているボルト・ナットに対応するソケットのサイズは、「17mm」「19mm」「21mm」「23mm」の4種類です。4つの先端がそれぞれのサイズに対応していれば、1つの十字レンチで汎用的に用いることができます。

早回しレンチの場合は、固定式のソケットではなく差込角に対応した六角ソケットを別途用意しなければならない製品もあるため注意が必要です。

2. ソケットの形状

ボルト・ナット周辺のスペースが狭い場合は、標準形状ではソケットが入らないため、ボルト・ナットを回せないことがあります。薄口形状ではソケット外側の幅が狭いので込み入った場所でも対応できます。

3. 使用回数

ハンドルが固定されていないようなグリップが回転する形式の早回しタイプでは、通常の十字レンチよりも早くボルト・ナットの締める・緩めるの作業を行うことができます。そのため、タイヤ交換の頻度が多い場合やトラック等で回すボルト・ナットの数が多い場合は、早回しタイプを選ぶと作業効率の向上につながります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です