ジャッキ

ジャッキとは

ジャッキとは、対象物を持ち上げる工具です。横向きに使用可能なジャッキの場合、水平方向に力を加えて対象物を横移動させることもできます。

ジャッキには3つの作動方式があります。ネジあるいは歯車を回転させる機械式、油圧などを使用する液体作動式、コンプレッサなどで空気を送り込む空気作動式です。機械式の代表的なジャッキは、ラチェット式ねじジャッキ、軸受付ねじジャッキ、ラック駆動ジャッキです。液体作動式は、油圧式ジャッキが主に使用されています。

また様々な耐荷重量(最大荷重)のジャッキが販売されています。卓上で趣味や実験に用いる耐荷重量3kg程度の小型ジャッキ、自動車の修理や建設現場で使用する耐荷重量2-5tのジャッキ、工場で据え付けて使用する耐荷重量5t以上のリフト(ジャッキ)です。 

ジャッキの使い方

ここでは多くの作業で使用されている、耐荷重量2-5t程度のジャッキの使用方法ならびに使用時の注意点を説明します。

  • 対象物の設置ポイント(接点)の確認
    持ち上げる対象物におけるジャッキ設置ポイントを決めます。自動車などあらかじめ設置ポイントが定められているものもあります。定められていない場合は、作業箇所、荷重のバランスを考慮し設置ポイントを決めましょう。なお設置ポイントには持ち上げる力に耐えうる硬い場所を選びます。対象物へ傷付きを防止するために、設置ポイントにゴムパットなどの緩衝材を挟むと良いでしょう。
  • ジャッキの設置
    設置面には、水平かつ硬く安定した場所を選びます。設置面が不安定あるいは対象物が高所にある場合は、サンドルを組み設置面を安定させます。
  • ジャッキアップ
    ジャッキを操作し、対象物をゆっくり上昇させます。上昇時は次の点を確認します。設置面の状態(安定しているか)、対象物の設置ポイント(食い込みなどがないか)、対象物のバランス(横移動をしていないか)です。
  • 作業
    対象物を上昇後、すぐ作業に取り掛かることは禁止です。ジャッキは単に対象物を持ち上げているだけであり、バランスが崩れて倒れる危険性があります。リジッドラックなどで対象物を支えるなど、落下防止措置を施した後に作業を開始しましょう。
  • ジャッキダウン
    ジャッキを操作し、対象物をゆっくり下降させます。上昇時と同様に、設置面の状態、対象物の設置ポイント、対象物のバランスを確認しながらゆっくり下降させます。 

ジャッキの選び方

ジャッキを選ぶ際に重要なポイントは、耐荷重量および高さです。また作業内容に合わせてジャッキのタイプを選択します。またタイプ別のメリット・デメリットおよび用途を説明します。

  • 耐荷重量
    ジャッキが持ち上げることができる最大の重量を耐荷重量といいます。持ち上げる対象物の重量より耐荷重量が大きいジャッキを選ぶことが重要です。ジャッキ1個で対象物の重量を超えられない場合は、ジャッキを複数個用意して対象物を持ち上げます。
  • 高さ
    ジャッキが持ち上げられる最低の高さを最低位、最高の高さを最高位といいます。作業に必要な高さを確保できるジャッキを選びます。
  • タイプ別のメリット・デメリット
    タイプ別のメリット・デメリットは以下のとおりです。作業箇所や作業内容に適切なタイプを選択します。

機械式は、液体作動式と比較して重量が軽く、取り扱いが容易であることがメリットです。また横向きに使用することで、対象物を横移動できる利点があります。ジャッキの持ち運びを伴う作業に使用するとよいでしょう。作業効率の悪さや、内部のネジや歯車が壊れ易いことがデメリットです。

液体作動式は、機械式と比較して重量が重いものの、作業効率の良さがメリットです。最近では容易に持ち運びができる小型タイプも販売されています。主に自動車の修理や建築作業で用いられています。デメリットは横向きに使用不可であること、および油漏れなど取り扱いに注意を要することです。

空気作動式は、液体作動式と比較し、油漏れや引火の危険性がなく安全に使用できることがメリットです。今日ではコンプレッサー式、排気ガス式、手動ポンプ式と様々なタイプが販売されています。作業に合わせて選択するとよいでしょう。しかしながら耐荷重量が大きいジャッキはコンプレッサーが必要になり、煩雑になることがデメリットです。 

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