アダプターナット

アダプターナットとは

アダプターナット(英語:Adapter Nut)は、アダプタースリーブ、ロックワッシャと組み合わせて使用し、これら全てを含めて「アダプタ」と呼びます。アダプターは自動調心玉軸受や自動調心ころ軸受の内輪がテーパ穴の場合に使用し、容易に取り付け・取り外し・固定ができるようになります。
一般的に、「ベアリングナット」、「ロックナット」も同義語として使用されています。

アダプターナットは、内径側にめねじ(メスねじ)が加工され、外径側は工具を引っ掛け締め付けるための切り欠きが、円周上に4から8か所均等に配置されています。

アダプターナットの使用用途

アダプターナットは、前述の通り自動調心玉軸受や自動調心ころ軸受の内輪がテーパ穴の場合のアダプターを締め付け、軸受を固定し取り付け・取り外しするためのナットです。

自動調心玉軸受や自動調心ころ軸受を、軸の任意の位置に固定する場合に使用します。

またアンギュラ玉軸受では、ネジ加工された軸端にロックワッシャとアダプターナットをはめ込み、軸受内輪側を押し込み固定する方法で使用されています。

アダプターナットの締め付けは、専用の引っ掛けフックが付いたスパナや、ナットの切り欠きに合うように作られたソケットのような工具を使用します。

アダプターナットの原理

アダプターの内径側は、ストレート穴で軸にはめ込む側になり、外径側はアダプターナット取り付け側が小さく反対側が大きいテーパ状になっていて、軸受内径はその逆向きのテーパ穴になっていて、軸受内輪のテーパ穴にはめ込む側になります。

アダプターナットを左側に回転させ締め込むことで、軸受内輪を押し込む方向へ移動させるため、アダプター外径と軸受内径の嵌め合いがきつくなり、軸受を固定することができます。この状態で、アダプターナットと軸受内輪の間に取り付けられたロックワッシャ外側の歯(菊形に突起した爪)を、アダプターナットの切り欠き位置に合わせ、切り欠きに歯を折り曲げはめ込むことで、回り止めを行います。

アダプターナットのねじは、JIS B 0205 一般用メートルねじ の細目ねじ(旧規格 JIS B 0207)の左ねじで、回転方向と同じ方向になってねじが緩みやすくならないように、左ねじが採用されています。ねじサイズは、M10x0.75 から M145x2 になります。

アダプターナットの材質は、軟鋼 SS400ステンレス鋼 SUS304 などが使用されています。

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