微細ねじ

微細ねじとは

微細ねじ (英: Micro Screw) とは、非常に小さなサイズを持つねじです。

一般的には、M2.6より小さいサイズのねじを微細ねじと呼ぶことが多いです。極小ねじやミニチュアねじ、精密ねじなどとも呼ばれます。

微細ねじは非常に小さいため、小型機器や精密機器の組み立てに有利です。携帯電話や腕時計、医療機器などの組み立て作業に使用されます。微細ねじを使用することで、機器の設計がコンパクトにまとめることが可能です。

ただし、微細ねじは非常に小さく、手先の細かな作業が必要です。そのため、器用さや集中力が求められます。誤った操作や落下などがあると、部品や機器が破損する可能性があります。

微細ねじの使用用途

微細ねじは、その小さなサイズと高い精度からさまざまな用途で使用されています。以下は微細ねじの使用用途一例です。

1. 電子機器

電子機器はコンパクトで複雑な設計で、微細ネジは基板や部品を確実に固定するために使用されます。例えば、スマートフォン内部にはカメラモジュールや基板などが細かく配置されていることが多いです。これらの部品を固定するために微細ねじが必要です。

2. 医療機器

医療機器には精密さと高い品質が求められます。例えば、内視鏡は微細な部品が組み立てられ、高い解像度と信頼性を有することが必要です。微細ねじは光学系の配置を確保し、正確な映像を提供するのに役立ちます。

また、人工関節や心臓ペースメーカーなどの医療機器も微細ねじを使用して組み立てられる場合も多いです。

3. 光学機器

光学機器は高い光学性能を持ち、微細な部品の正確な配置が必要です。顕微鏡のレンズや望遠鏡のミラーは微細ねじを使用して固定されます。微細ねじは光学系の調整を行うために重要です。

4. 時計

時計は正確な時間計測を提供するために、高い精度が必要です。微細ねじは、時計の機構や針の組み立てに使用されます。機構内部の部品や歯車の配置を固定するために欠かせない部品です。

微細ねじの原理

微細ねじは通常のねじと同様に、基本的なねじの原理に従っています。ただし、その小さなサイズと微細な特性に合わせて設計および製造されています。ねじは基本的に螺旋状の溝を持つ棒状の部品で、これを他の部品や材料に対して回転させることで部品同士を締結または固定する部品です。

本体部分には、螺旋状のねじ山があります。ねじの外側に刻まれた溝で、他の部品のめねじと噛み合うことで締結が行われます。微細ねじのスレッドは非常に細かく、メートル法のミリメートルで表現されることが多いです。

ねじの先端にはねじ頭部があります。ねじ頭部にはさまざまな形状があり、ねじ回しや適切な工具を使用して回転させることが可能です。一般的な形状にはプラスねじ六角ねじなどがあります。

微細ねじを締結する際には、回転させることでねじ山同士が絡み合って部品同士を固定します。回転によってねじが進んだり後退したりすることで、部品同士の距離を調整することが可能です。微細ネジのねじ山は非常に細かいため、正確な作業が必要です。

微細ねじの種類

微細ねじは頭部の高さと穴の大きさに規定があります。サイズは0番1種~3種の3種類があり、0番より小さい00番が使用されることも多いです。1種~3種は頭部の大きさと高さを表します。

微細ねじ頭部の形状は、皿頭となべ頭を使用されることが多いです。なべ・皿頭共に1~3種まで種類が存在し、数字が大きいほどサイズが大きくなります。

材質は鉄や炭素鋼ステンレス鋼、チタン鋼などの種類があります。樹脂製や黄銅製などの特殊仕様なども製作可能です。ナイロンをねじ部に溶着し、摩擦によってゆるみ止め効果を発生させる製品も販売されています。

微細ねじのその他情報

微細ねじの規格

規格としては、日本写真機工業会団体規格の JCIS10-70 精密機器用十字穴付き小ねじで規定され、長年使用されてきました。ただし、2020年07月にはカメラ映像機器工業会に移管されて廃止されました。現在は、カメラ映像機器工業会の精密機器用十字穴付き小ねじなどが使用される場合も多いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です