高温高湿試験

高温高湿試験とは

高温高湿試験

高温高湿試験とは、電子部品または電子機器が長時間高温高湿状態の環境下に置かれることで電気的な特性や機械的な特性、外観の状態がどのように変化するかを確認する試験のことです。

本試験を実施することで、高温および高湿の環境下での製品自体の耐久性を判定できます。 高温や高温の環境下では、通常の温度や湿度と比較して動作不良や不具合および故障が発生しやすくなり、 寿命の劣化が加速する条件にもなるため、 耐久性の確認が必要です。

高温高湿試験の使用用途

高温高湿試験では、高い温度や高い湿度が原因で起きる動作不良や不具合の発生有無を確認することができます。試験の目的は、電子部品または電子機器が高温および高温の環境下での輸送、保管又は動作に耐えることが出来るかどうかを判断するためです。

小型の電子部品または電子機器だけでなく、大型の電子部品または電子機器にも適用可能で、電子部品または電子機器内に発熱物が有る場合と無い場合の両方にも適用しています。

高温高湿試験の原理

高温高湿試験は、一定の温度と湿度に制御された恒温恒湿槽の中で実施します。試験の厳しさは、試験する温度、湿度と実施時間の組み合わせで決まります。試験条件が厳しすぎる場合、実使用時には発生しない動作不良や不具合が試験時に発生する可能性があるため、試験対象品の仕様や寿命、適用する規格に合わせて試験条件をに決めることが大切です。

輸送状態や保管状態を模擬した試験を実施する場合は梱包状態で試験を実施し、 動作状態を模擬した試験を実施する場合は試験対象品の梱包はせず、動作状態で試験を実施します。試験の合否は、試験前、試験中、試験後の外観、電気的特性、機械的特性の測定をして判断します。測定方法は、製品規格の規定に従い特性と外観を測定します。

高温高湿試験のその他情報

1. 試験時の注意点

高温高湿試験は、試験対象品に結露が付いていない状態を模擬した試験であるため、試験中は試験対象品に結露が発生することを防ぐ必要があります。結露が発生すると、電気的特性または機械的特性が過剰に劣化する可能性があります。

結露が発生する条件は、温度の高い恒温恒湿槽へ温度の低い試験対象品を急に入れた場合です。恒温恒湿槽内の水蒸気が凝縮され、試験対象品に結露が付着しやすくなります。

電気部品に結露が発生した場合、基板パターン間の短絡や電気絶縁性の劣化が発生し、適切な試験が出来なくなります。

結露の発生を防ぐ方法は、試験対象品を恒温恒湿槽に入れた後、試験温度とは少し低めの温度まで予備加熱したあとに、試験する温度まで上昇させることです。

2. 測定機器の設置場所

試験中に電気的特性を測定する場合、測定機器の設置場所に注意する必要があります。測定機器を恒温恒湿槽の中に入れた状態で試験を実施した場合、測定機器の動作保証温度は常温が多いため、測定機器が誤動作したり故障したりする可能性があるからです。

測定機器の誤作動を防ぐために、試験を実施する際は、測定機器を恒温恒湿槽の外に置き、測定機器を常温の状態にして試験するのが望ましいです。測定機器を恒温恒湿槽の外に設置する場合は、電気信号を測定するためのハーネスを恒温恒湿槽外に配線し、電気的特性を測定します。

電気信号を測定するためのハーネスが細すぎたり、長すぎたりすると電圧降下が発生したり、外来ノイズによる波形変化が発生し、正確な測定ができません。ハーネスによる電圧降下が電気的特性の測定に影響している場合は、ハーネスの径を大きくし、ハーネスの長さは短くすることでハーネスのインピーダンスが下がり、電圧降下を少なくすることができます。

外来ノイズの影響で波形変化が発生する場合は、ハーネスをツイストペアにするか、ハーネスにフェライトコアを接続することで外来ノイズの影響を少なくすることが可能です。

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