浸漬試験とは
浸漬試験とは、試験サンプルが水または他の液体に浸漬されたときにどの程度試験サンプルの機能が持続するかを評価する試験のことです。
浸漬試験では、試験サンプルの隙間から水分が侵入した際の耐水性だけでなく、圧力が急激に変化した際の耐圧性や、腐食性のある物質に対する耐性についても確認できます。
目的に応じて浸漬させる液体の種類や量、温度などが異なるため、精査して試験を実施する必要があります。
浸漬試験の使用用途
浸漬試験の中には大きく分けて2つの目的があります。
1. 耐水性の確認
自動車部品など水分がかかる場所で使用される部品について不具合が生じないかを確認するために浸漬試験を使用することが多いです。
2. 液体内の成分による耐食性の確認
酸・アルカリ・油分など様々な液体に接触した際、腐食する可能性がある金属やゴムなどの耐食性を確認する際に浸漬試験を使用することが多いです。
浸漬試験の原理
耐食性を確認する浸漬試験では、どの程度試験片が腐食したかを確認するため、試験の前後で試験片の重量を測定することで評価を行います。目視で確認できるレベルでの腐食についても確認することが多いです。
このような浸漬試験では、試験液の選定と浸漬の条件を決めることが最大のポイントです。日本産業規格 (JIS) でも試験温度や浸漬期間などは反映したいものに合わせて適切なものを選定できるようになっています。また、経時的に腐食度合いを確認することで腐食速度も確認が可能なので品質保証期間などの参考にもできる可能性もあります。