曲げ試験とは
曲げ試験とは、材料に対する強度試験の一種で、材料である試験片に上から荷重を加え、材料の曲げる力に対する強度を測定する試験です。
3点試験と4点試験では試験の性質が異なるため、用途に応じて試験方法を選ぶ必要があります。例えば、人工骨などの医療品は3点試験を使用する場合が多いです。
曲げ試験では、試験片に荷重を加えたときの試験片のたわみ量を測定し、荷重とたわみ量をプロットした曲線を解析ソフトにかけて、曲げ応力と曲げひずみの線図を求めます。この応力−ひずみ線図から求めた最大応力が、試験片の曲げ強さです。
曲げ試験の使用用途
曲げ試験は、材料が曲がる際に発生する応力を測定して、材料の性質や機械的な性能などを調べるために行われています。また、脆性材料にかかる曲げによる破壊強さを測定するためにも有効です。
一般的に曲げ試験は、試験段階の材料や製品、サンプルの強度評価に用いられます。曲げ試験により得たデータをもとに、製品の性能評価が行われます。
例えば、プラスチックなどで形成されるコップなどの生活必需品の性能評価などです。その他、人工骨などの医療製品の性能評価にも曲げ試験が利用されているため、日用品や医療製品問わず、幅広く利用されている試験方法です。
曲げ試験の原理
曲げ試験は、試験片である材料を両端の支点で支え、支点間に外力を加えることで成り立ちます。3点試験の場合は支点間の外力が1つ、4点試験の場合は支点間の外力が2つになります。
それぞれ外力を加える個数は異なりますが、支点間に外力を加える点は同じです。試験の対象はプラスチック、セラミック、金属など多岐にわたるため、原理は同じでも発生する現象が異なります。異なる現象を調べることが、曲げ試験の目的です。
曲げ試験の種類
曲げ試験は主に3点試験と4点試験があり、以下のようにそれぞれ目的が異なります。
- 3点試験
曲げ加工を行うのに適した材料かを調べる。 - 4点試験
材料そのものの性質を調べる。
一般的に、「曲げ試験を使用する」というと「3点試験を使用すること」を指します。3点試験は、4点試験よりも容易に試験ができることが特徴として挙げられます。3点試験と4点試験は基本原理は同じですが、試験方法と使用用途が異なります。
一般の試験機では、3点試験しか対応していない場合も多いです。そのため、適切な試験場や会社を選択することが、正確な試験を行うために欠かせません。
1. 3点試験
3点試験は、試験片である材料の両端を支えて中央に外力を加える試験です。両端で2点、中央で1点の計3点に外力が加わることから、3点試験と呼ばれています。
3点試験は、材料のせん断力の分布が一様にはならず、材料の性質を正確に調べるには不向きです。そのため、材料の性質を調べるためには後述する4点試験が適しています。
3点試験は、材料の曲げ加工に似た外力を加えるため、曲げ加工を行うのに適した材料かを調べるのが目的です。曲げ加工に適した材料か判断する際は、材料に外力を加えたときに発生する亀裂の有無を確認します。
亀裂が無い場合には曲げ加工に適した材料とみなされ、亀裂がある場合には材料の選定などを再度行う必要があるとみなされます。
2. 4点試験
4点試験は、試験片である材料の両端を支点で支えて、支点の間に2つの同じ大きさの外力を加える試験です。支点で2点、中央で2点の計4点に外力が加わることから、4点試験と呼ばれています。
4点試験は、支点以外の2つの外力間のせん断力が一定です。また、曲げモーメントも一定になるので、純粋曲げの状態になります。そのため、材料の性質を調べることに向いています。
4点試験は、試験の困難さから現象のばらつきが測定されることもあります。そのため、4点試験を行う際は適切な環境、適切な試験機を選択し、正確に試験を行うことが重要です。