ICトレイ

ICトレイとは

ICトレイ

ICトレイは、半導体ICパッケージを安全に搬送、検査、保管、出荷するために使用する専用の容器です。

ICパッケージには、リードフレームがパッケージ側面から出ているSOP、QFP、はんだボールがパッケージ底面に格子状に配置されたBGA、ピンがパッケージ底面に格子状に配置されたPGAなど、多様な外形形状のパッケージがあります。

ICパッケージを安全に取り扱うためには、パッケージの種類・サイズ、使用場所などを考慮して、適したICトレイを使用することが重要です。

ICトレイの使用用途

ICトレイは、半導体製造工場のうち、シリコンウエハ上のチップを切り離してパッケージ化する後工程において使用されます。

チップをパッケージで封入する工程の後、ICパッケージはICトレイに詰められて検査工程に搬送されます。検査工程では、ICパッケージをICトレイに載せたまま行う外観検査や、トレイから外して行う特性試験などを実施します。検査実施後、ICパッケージはICトレイに載せた状態で保管・出荷します。

このように、半導体製造工場のパッケージング工程以降の工程で、ICトレイは必ず使用される容器です。 

ICトレイの特徴

半導体製品は一般的に静電気によるESD破壊に弱いという性質があります。そのため、ICトレイには、半導体ICをESD破壊から保護するため、静電対策を施すことが要求されます。

また、半導体ICを基板に実装するリフロー工程では、ICパッケージ内部に水分が含まれていた場合、リフロー時の熱で内部の水分が膨張してモールド樹脂が破壊される恐れがあります。これを回避するため、半導体ICの基板実装前にベーキングを実施して水分を飛ばしますが、ベーキングはICトレイに載せたまま実施するため、ICトレイには耐熱性が求められます。

このような要求を満たすICトレイとして、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)規格に準拠したJEDEC規格トレイがあります。

JEDEC規格トレイは、耐熱性や静電対策などの特性を保証しています。耐熱性については、ICトレイに耐熱温度がマーキングされているため、ベーキングの温度に応じた耐熱トレイを選定することができます。

JEDEC規格トレイは、ICパッケージの種類・サイズに応じてさまざまな外形サイズが用意されていますが、コーナーのひとつを45°にカットした形状で、ICの1ピン位置が分かるようになっています。そのため、JEDEC規格の装置にそのまま投入してICをピックアップすることができ、生産効率の向上にも効果があります。 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です