快削鋼

快削鋼とは

快削鋼とは、マシニングセンタ旋盤加工での切削加工において切削性を改善し、加工しやすくするため金属に硫黄や鉛、リン、マンガンなどを添加して作られた鋼材です。

切削性を良くすることにより、NC工作機械を用いての連続無人加工や高速加工に広く用いられ、部品制作の効率を上げるのに必要不可欠な材料となっています。

快削鋼はSUMと表記し、SUM21や22などの数字は、炭素の含有量を表しており、低炭素鋼か中炭素鋼によって数字が異なります。

快削鋼の使用用途

快削鋼は切削性が良く、連続的な高速加工が可能なため、大量に生産するボルトやナットの材料によく使われています。

自動車の分野においてはエンジンのクランクシャフトやコンロッド、油圧部品に使われており、プリンターのシャフト部分にも快削鋼が広く使われています。

また、身近なところではデジカメやDVDプレーヤー、テレビなどの家電製品の部品、空調機器やガス機器といった生活に欠かせない機器の部品にも、快削鋼が使われています。

快削鋼の原理

快削鋼には、炭素の含有量によって低炭素快削鋼から中炭素快削鋼に分けられ、特性が異なります。

低炭素快削鋼は、「SUM21〜SUM22」と表記され、炭素含有量が0.13%以下の快削鋼を表します。低炭素快削鋼は、強度よりも切削性に重点を置いているのが特徴で、強度をあまり必要としない部品に使われています。

中炭素快削鋼は、「SUM31〜SUM43」と表記され、低炭素快削鋼よりも強度が高く、鋼材の中でも広く使われている「S35C」や「SS400」「S45C」と同等の硬度があるのが特徴です。調質のために焼入れをしていて、添加されている硫黄が劣化を促進してしまうため、マンガンを多めに添加することで劣化を防止しています。

快削鋼に添加されている硫黄は、添加しすぎると人体に悪影響のため、0.16〜0.23%程度を少量加えており、硫黄の含有率が高くなると、靭性や圧延方向の延性が少し劣るといった特性があります。

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