厚銅基板とは
厚銅基板とは、使用されている銅部分の厚みが大きい銅基板の一種です。
通常の銅基板であれば、銅厚は30‐100μm程度ですが、厚銅基板に使用されている銅厚は140μm以上にもなります。銅厚が厚いことで、通常の銅基板では流すことのできないような大きな電流を流すことができ、より高出力の機械を動かすことができるようになりました。最近では高出力の機械が一般的になったので厚銅基板を使用する機会も増えています。
厚銅基板の使用用途
厚銅基板は、高出力や高電流なものを流すために必要な基盤であり、高電流を流した時に発生する熱を放散できます。そのため小型で高電流を流したい場所に使用されることが多く、その中でもより耐久性が必要な製品によく搭載されます。特によく使用されているものは、パワーモジュールという自動車向けの電子部品です。
もともと自動車の電源と電子機器への配電は専用の配電を行っていましたが、複雑な配線が必要なためにかなりのコストがかかっていました。しかし、厚銅基板を用いて高電流を流せるようになったため配線設計がしやすくなり製品の小型化が可能になりました。
厚銅基板の原理
通常の銅基板では銅厚は15~35μm程度のものが多いですが、厚銅基板では銅厚が140μmを超えています。銅自体の熱伝導率が高いため、銅厚みを厚くすることによってより小さな面積でも多くの電流を流すことが可能になります。
また基板自体の放熱性が高いことも特徴です。基板の放熱性が高まることで、部品の動作時の温度が上がらず効率よく部品を動かすことができ部品の寿命も長くなりやすいです。
厚銅基板の種類
厚銅基板には大きくわけて4つの種類があります。
- 金属加工したバスバーを回路に埋め込むような製法で作られるバスバー基板
- ザグリ加工をすることで導体をむきだしの状態にした放熱性の高いキャビティー基板
- 高熱を発する部品の直下に銅が注入されている放熱性の高い銅インレイ基板
- 1つの基板の中で厚みの異なる銅パターンが入っている同一面異厚銅基板
同一面異厚銅基板は、同一面で複数の配線を設計できます。使用用途にあわせて選定することが重要です。