カーボン3Dプリンターとは
カーボン3Dプリンターとは、カーボンを加えた造形材料を2次元の断面状に積層し、3Dデータに基づいて立体モデルを造形する製造機です。 カーボンにより強度を飛躍的に向上させることができます。
長繊維のカーボンファイバーを織り込む方法では、アルミニウム並みの強度が得られます。カーボンのほか、ケブラーやグラスファイバを使用できる製品もあります。
軽量で高強度の特性を活かして、ドローンの部品、ラジコンの部品、治具、スクリューやプロペラなどに使われます。
カーボン3Dプリンターの使用用途
カーボン3Dプリンターは、軽量、高強度のメリットのほか、耐熱性、安定性、精度、復元力、耐衝撃性、熱伝導性などに優れています。また、開発期間の短縮、設計構想の即時試作、多品種少ロット生産といった3Dプリンターのメリットも備わっていますので、多くの企業で開発業務に多用され始めています。
樹脂を材料とする通常の3Dプリンターを使用した製品では強度不足や耐熱温度不足になる場合、金属材料を使用すれば良くなるのですが、設備やコスト面の問題が出てきます。樹脂材料のままでカーボンを加えることで、問題が一挙に解決できます。
カーボン3Dプリンターの原理
3Dプリンターの原理は、造形材料の薄い層を積層して液状の樹脂に紫外線レーザーを当てて少しずつ硬化させる光造形方式や、熱で溶融させて積み重ねるFDM方式などが多く使われています。光造形はFDMに比べ、表面が滑らかになる利点があります。他にインクジェットに類似した材料噴射方式や接着剤噴射方式もあります。また粉末状の材料にレーザーを照射して焼結させる粉末焼結方式は、金属材料も使用できる特徴があります。
カーボンを樹脂材料に加える方法の一つは、樹脂材料と強化材とを別々に供給し、3Dプリンター本体の内部で材料を複合化して一つのノズルから複合材料として押し出す方式です。
強化材にはカーボン以外の材料も使われます。長繊維のカーボンファイバーは軽量で最高の強度、熱伝導率が得られます。グラスファイバーはコストパフォーマンスに優れ、重量はカーボンファイバーの2倍程度、強度は40%位です。105℃の耐熱性がある高耐熱グラスファイバーもあります。さらに、ケブラーは柔軟性、耐摩耗性に優れ、耐衝撃性が高い特徴を有しています。